エヌビディア(NVDA)の株価は4月25日午前の米国市場で2.5%高と上昇しています。これは、アルファベット(GOOGL)と競合の半導体メーカーインテル(INTC)の決算報告を市場が消化する中での動きです。特に、人工知能(AI)技術に対する強い需要が、エヌビディアにとって好材料となりそうです。
アルファベットの決算がエヌビディアに与える影響
アルファベットの決算は、AIインフラへの支出の減速に関する兆候があるかどうかに注目が集まりました。しかし、エヌビディアの投資家にとって安心材料となるのは、アルファベットが今年の設備投資見通し750億ドルを維持した点です。
アルファベットの幹部は、四半期の終了時点で同社のクラウドコンピューティングサービスに対する需要が、提供できる容量を超えていたと報告しました。また、エヌビディアとの「強い関係」を再確認しつつ、同社が自社開発のAIチップを改善し続けていることにも言及しました。
インテルの競争力とエヌビディアの優位性
一方で、AIチップ市場におけるインテルの競争力が本格化するには時間がかかると見られています。インテルの新CEOリップ・ブー・タン氏は、同社が「ハードウェア、ソフトウェア、サービスを網羅するAIソリューション」を目指すことを明言しましたが、エヌビディアのような競争力のあるAIプロセッサが市場に登場する時期については具体的なスケジュールを示していません。
また、インテルは今年1月に次世代AIデータセンタープロダクト「ファルコン・ショアーズ」の市場投入を見送ることを発表し、代わりに「ジャガー・ショアーズ」に注力する方針を打ち出しました。
インテルの製品部門のCEOミシェル・ジョンストン・ホルタウス氏は、ジャガー・ショアーズが同社のデータセンター市場における競争を強化する重要な製品であると強調しましたが、この市場では現時点でエヌビディアと直接競っていないことを認めています。
AIチップ需要の継続的な強さ
モルガン・スタンレーの半導体アナリストであるジョセフ・ムーア氏は、AIチップ需要が弱まっているという懸念を一蹴しました。「AI需要の消化段階に入ったという考えは、明らかに誤りであり、より多くの推論チップが求められていることが強い需要を後押ししている」と述べています。
他の半導体メーカーの動向
他の半導体メーカーの株は、エヌビディアほどの強い動きを見せていません。例えば、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は0.8%上昇し、ブロードコム(AVGO)の株も0.2%の上昇に止まっています。
エヌビディアにとって、AI分野でのリーダーシップは今後も大きな成長の原動力となり、株価を押し上げる要因であることが予想されます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA