エヌビディア(NVDA)の株価は、4月25日の米国市場で4.3%高の111.01ドルと大きく上昇しました。これは、アルファベット(GOOGL)とインテル(INTC)の決算発表を市場が消化する中での動きであり、特にAI技術への強い需要がエヌビディアに追い風となっています。
これに続き、モルガン・スタンレーの半導体アナリスト、ジョセフ・ムーア氏による最新レポートが投資家心理をさらに後押ししました。ムーア氏は、AIハードウェア需要の「消化局面」入りを懸念する声を一蹴し、「推論(インフェレンス)チップへの需要は爆発的であり、このトレンドは持続可能だ」と断言しています。
推論チップ需要が市場を牽引
エヌビディアのグラフィックプロセッシングユニット(GPU)は、AIモデルの訓練だけでなく、実際の推論処理にも使用されています。ムーア氏は、現在の需要の中心が推論分野にある点に注目し、「収益化が進んでいるAIビジネス分野からの需要であり、持続性が高い」と指摘しました。これにより、将来的な売上と利益成長への確信が強まっています。
実際、ムーア氏はエヌビディアの2026年の売上高予想を10.7%、同年の1株当たり利益(EPS)予想を11.9%引き上げ、「これらの新たな予想値もなお控えめである可能性が高い」と述べています。
データセンター投資に関する懸念も払拭
一部では、データセンターリースに関する懸念からAI需要減速を懸念する声もありますが、ムーア氏はこれを否定。「データセンター契約の調整は、顧客企業が支援する大型言語モデル(LLM)の変更に伴う自然な動き」とし、需要自体が依然として堅調であると説明しました。
特に注目すべきは、ムーア氏が「顧客から直接聞き取った需要のレベルが、現在のランレートを数百億ドルも上回る」という極めてポジティブな見解を示している点です。これは、単なる市場予測ではなく、実際のビジネス現場で観測された強い成長トレンドに基づいています。
エヌビディアのリーダーシップは不動
現在、他の半導体メーカーもAI分野への取り組みを強化していますが、エヌビディアの優位性は揺るぎないものとなっています。インテルやAMDがAI向け製品の拡充を目指しているものの、現時点ではエヌビディアが市場の中心的存在であることに変わりはありません。
エヌビディアにとって、推論分野を中心とするAI需要の急拡大は、今後数年間にわたる大きな成長ドライバーとなりそうです。市場には依然として慎重な見方も存在しますが、最新レポートが示すように、実態は極めて堅調であり、長期的な投資魅力が高まっています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA