2025年の調整相場でも安心?マイクロソフトが“守りも攻めもできる”理由

2025年の米国株市場では、主要テクノロジー企業で構成される「マグニフィセント・セブン」の多くが調整を余儀なくされていますが、その中でもマイクロソフト(MSFT)の株価下落幅は約13%にとどまっており、相対的に堅調な値動きを見せています。こうした安定感は、同社の多角的な事業モデルと堅牢な財務基盤に支えられています。

マイクロソフトの信用格付けは最上位

マイクロソフトはスタンダード&プアーズ(S&P)から「AAA」、ムーディーズ・インベスターズ・サービスから「Aaa」の信用格付けを受けています。この格付けは、2025年時点でアメリカの上場企業の中でも数社しか取得していないものであり、同社の財務的な安定性と資本市場での信頼度を物語っています。

多様な事業領域で安定成長を実現

マイクロソフトはクラウド(Azure)、ビジネスソフト(Microsoft 365)、SNS(LinkedIn)、ハードウェア(Surface)、ゲーム(Xbox)、開発者向けツール(GitHub)といった多様な事業を展開しています。

さらに、生成AIの分野では、オープンAIへの初期からの出資を通じてChatGPTやGPT-4、Copilotなどの製品に深く関与しており、Azure上で提供する「Azure OpenAI Service」は、企業ユーザー向けに大きな成長を遂げています。

2024年には、Office製品群に統合された「Copilot for Microsoft 365」が法人向けに広く採用され、企業の生産性向上と業務効率化を後押ししました。これにより、AI分野の収益貢献も顕著になってきています。

エンタープライズ顧客との契約が業績を下支え

マイクロソフトは個人向けの製品も展開していますが、収益の大部分は法人顧客からの長期契約によって支えられています。例えばAzureやMicrosoft 365は多くの企業でインフラ的存在となっており、契約が解約されにくい特性を持っています。このビジネスモデルが、景気後退局面においても安定的な売上と利益を確保する要因となっています。

財務の健全性が際立つ「フォートレス・バランスシート」

2024年末時点で、マイクロソフトは715億ドル以上の現金および現金同等物を保有し、長期債務は約400億ドル、自己資本は3,020億ドルを超えており、債務比率は非常に低い水準です。このような財務体質は、将来的な大型投資や買収、AIインフラへの設備投資にも柔軟に対応できる力を持っています。

過去にはアクティビジョン・ブリザードの大型買収を通じてゲーム事業を強化するなど、資本の使い方も戦略的です。AI関連ではオープンAIと共同でスーパーコンピューティング環境の構築にも取り組んでおり、今後の成長ドライバーとして期待されています。

配当成長にも期待できる安定銘柄

マイクロソフトは20年以上にわたって四半期配当を増配し続けており、2025年も増配が発表される見込みです。配当利回りは1%台と控えめですが、配当成長率が高いため、長期的に保有することで「育つ配当株」としての魅力があります。

株価の上昇と配当の両方を期待できる銘柄として、マイクロソフトは投資家のポートフォリオに安定したキャッシュフローをもたらしてくれる貴重な存在です。

*過去記事「消費減速時代の最強株?マイクロソフトが投資家に選ばれるワケ

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