4月15日(火)の米国株式市場は、米中の貿易戦争が長期化する懸念が高まり、株式市場は乱高下しました。S&P500は一時上昇しましたが、最終的には下落しました。米金融大手の好決算や堅調な消費動向があったものの、投資家はリスク回避の姿勢を強めています。ボーイングに対する中国の制裁や、米欧間の貿易交渉の停滞も市場の重しとなりました。投資家は成長鈍化や景気後退のリスクに備える必要があると見られています。
以下は、15日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
ロケット・ラブ (RKLB)
株価変動: +10.14%
詳細: 宇宙関連企業であるロケット・ラブは、米英両国から極超音速テクノロジーに関する新規事業を受注しました。サブオービタル(準軌道)試験用のHASTE打ち上げシステムを活用し、防衛分野における重要なテクノロジーパートナーとしての地位を強化しています。この発表を受けて、株価は大きく上昇しました。
*関連記事「ロケット・ラブ株が急騰!米英の極超音速契約が開く新たな成長の扉」
パランティア・テクノロジーズ (PLTR)
株価変動: +6.24%
詳細: パランティアは政府や防衛機関向けにビッグデータ解析とAIソリューションを提供する企業です。今回、NATOが同社のAI搭載ソフトウェア「Maven Smart System」を採用したことで、軍事・安全保障分野での存在感が増し、前日の4.6%の上昇に続き株価は続伸しました。
ヒューレット・パッカード・エンタープライズ (HPE)
株価変動: +5.11%
詳細: 企業向けITソリューションを提供するHPEに対し、アクティビスト投資家のエリオット・インベストメント・マネジメントが15億ドル以上の出資を行いました。経営効率の向上や企業価値最大化への期待から、株価は上昇しました。
ネットフリックス (NFLX)
株価変動: +4.83%
詳細: 世界最大級の動画ストリーミングサービスを展開するネットフリックスは、2030年までに時価総額1兆ドル、売上高390億ドル、営業利益を3倍にする目標を掲げています。将来的な成長期待を背景に、株価は上昇しました。
バンク・オブ・アメリカ (BAC)
株価変動: +3.60%
詳細: 米国の大手銀行であるバンク・オブ・アメリカは、第1四半期の利益が予想を上回り、総収入も堅調でした。金利収入は若干低調だったものの、全体としては市場に好感され、株価は上昇しました。
シティグループ (C)
株価変動: +1.76%
詳細: 国際的な金融サービスを展開するシティグループは、第1四半期の業績が市場予想を上回り、特に純金利収入の増加が注目されました。
テスラ (TSLA)
株価変動: +0.70%
詳細: 電気自動車メーカーのテスラは、テクニカル的にはデスクロス(下落トレンドの兆候)を形成したものの、株価はわずかに上昇しました。今後の下落リスクにも警戒が必要です。
アップル (AAPL)
株価変動: -0.19%
詳細: 世界的なテクノロジー企業であるアップルは、一部関税の緩和を受けて一時上昇しましたが、米中貿易摩擦の懸念が再燃し、株価は最終的にわずかに下落しました。
ジョンソン・エンド・ジョンソン (JNJ)
株価変動: -0.48%
詳細: 医薬品・医療機器大手のジョンソン・エンド・ジョンソンは、好決算と通年売上高見通しの引き上げを発表しましたが、市場全体の調整の影響を受け、株価はわずかに下落しました。
ボーイング (BA)
株価変動: -2.36%
詳細: 航空宇宙機器メーカーのボーイングは、中国政府が国内航空会社に対して同社の新規機体受領を停止するよう指示したことを受け、株価は下落しました。米中貿易摩擦の影響が再燃しています。
*関連記事「中国がボーイング機の引き渡し停止を命令、米中貿易戦争が激化」
ダウ (DOW)
株価変動: -4.09%
詳細: 化学メーカーのダウは、BofA証券によって「買い」から「アンダーパフォーム」へと投資判断が2段階引き下げられ、株価は4%下落しました。目標株価も44ドルから28ドルに引き下げられました。
アレグロ・マイクロシステムズ (ALGM)
株価変動: -9.68%
詳細: 半導体メーカーのアレグロ・マイクロシステムズは、ONセミコンダクターによる買収提案の撤回を受けて、株価は急落しました。提案の消失が今後の成長見通しに影を落としました。
アプライド・デジタル (APLD)
株価変動: -35.94%
詳細: デジタルインフラ企業のアプライド・デジタルは、第3四半期の業績で赤字幅は予想を下回ったものの、売上が予想に届かず、株価は36%の大幅下落となりました。
*過去記事 株価変動