ウォルマート(WMT)株は、投資家にとって「複数の勝ち筋」を提供するとして、米国みずほ証券のアナリストが新たに「アウトパフォーム」評価でカバレッジを開始しました。アナリストらは同社を「消費関連で必ず持っておきたい銘柄」と位置付けています。
目標株価は15%以上の上昇余地を示唆
米国みずほ証券は、ウォルマートの目標株価を105ドルに設定しており、これは現在の株価から約15%以上の上昇余地があることを意味します。カバレッジの開始が報じられた4月11日のプレマーケットでは、ウォルマート株は0.4%の上昇を見せています。
ECへの本格投資が利益に寄与し始める
アナリストチームは、ウォルマートが従来の店舗中心の小売業から、eコマースを中心とした次世代小売企業へと脱皮を遂げている点に注目しています。2016年度以降、同社は業界平均を上回る投資を行っており、その成果として自動化による効率化が進んでいます。オンライン事業の収益化も間近に迫っていると評価されています。
複雑な関税環境でも強い競争力を維持
厳しいマクロ経済環境にもかかわらず、ウォルマートは安定した成長が期待できると米国みずほ証券は見ています。同社は過去にも貿易戦争の影響を受けつつも巧みに対応してきた実績があります。全体の約3分の1の商品を中国やメキシコなど海外から仕入れているものの、ベンダーとの交渉や商品の設計見直しなどにより、価格の上昇を最小限に抑える努力が続けられています。
リセッション懸念にも対応可能な守備力のある銘柄
軽度の景気後退が想定される中でも、ウォルマートの経営陣による堅実な戦略は変わっておらず、同社はディフェンシブな投資先としても魅力を持っています。利益率の構造的な改善が進んでいる点もポジティブに評価されています。
強気・弱気シナリオの価格帯
米国みずほ証券による強気シナリオでは、既存店売上の加速と新たな収益源の成長により、株価は最大125ドルまで上昇する可能性があります。一方で、消費支出の鈍化や景気後退が現実となった場合には、75ドルまで下落するリスクもあると指摘しています。
ウォルマート株は、eコマースの拡大、効率化による利益率向上、そして不況耐性という3つの強みを持つことから、今後のポートフォリオ構築において注目すべき銘柄といえます。