フィンテック分野において注目される企業の一つであるアファーム・ホールディングス(AFRM)のカバレッジをTDカウエンが開始しました。4月8日に発表されたレポートでは、「買い」の評価とともに、目標株価を50ドルと設定しています。現在の株価が37.87ドルであることを考慮すると、約32%の上昇余地があるとの見通しを示しています。
アファームは「今買って後で払う(BNPL)」モデルの中でも全米でトップクラスのブランドとして知られ、業界内でも特に消費者に配慮したビジネス慣行を行っている企業として評価されています。
アマゾンやショッピファイとの提携が成長を後押し
アファームが強みとしているのは、アマゾン(AMZN)やショッピファイ(SHOP)といったEコマースの「大手パートナー」との戦略的な提携関係です。これにより、大企業から中小企業まで幅広く取引量を拡大することが可能となり、他のBNPL企業との差別化要因となっています。
また、資金調達面でも他の消費者金融業界に比べて有利な条件で調達できる歴史があり、これが事業安定性と競争力の高さにつながっています。
景気減速リスクへの耐性も評価
経済成長や信用状況に対する不透明感が高まる中でも、アファームは過去の困難な時期を乗り越えてきた実績があります。特に2022年から2023年にかけて信用状況が悪化した時期には、非プライム向けの貸付業者に比べて良好なパフォーマンスを維持しました。
雇用環境が弱まると、アファームのプラットフォームを通じた総取引額(グロスマーチャントボリューム:GMV)の成長に一時的な鈍化が見られる可能性はありますが、TDカウエンのアナリストはその影響は短期的なものにとどまると見ています。
さらに、業界全体で信用供与が引き締められる中においては、短期間・目的重視の融資を行っているアファームのサービスがより多くの顧客に受け入れられる余地があると分析しています。
フィンテック分野の中でも、アファームは消費者保護、戦略的提携、資金調達の柔軟性といった複数の強みを備えており、今後の成長が注目されます。
*過去記事はこちら アファーム AFRM