アメリカの人工知能(AI)開発企業であるオープンAIの2025年の売上が前年比で3倍超の127億ドルに達する見込みであると3月26日にブルームバーグが報じています。これは、ChatGPTをはじめとする有料AIソフトウェアの好調な拡大によるものです。
関係者によると、オープンAIの2024年の年間売上は37億ドルに達しており、今後も急速な成長が見込まれています。2026年にはさらに売上を倍増させ、294億ドルに到達する計画もあるとのことです。
ChatGPTの法人向けサービスが成長をけん引
オープンAIは、ChatGPTを一般ユーザーと企業向けに提供しており、2023年9月には法人向けChatGPTの有料ユーザー数が100万人を突破したと発表しました。これに加え、最近では月額200ドルのChatGPT Proも導入しており、より高性能なAIモデルへのアクセスを提供しています。
一部のAI製品については、月額数千ドルでの提供も検討されており、企業ニーズに応じた多層的な料金体系を整えつつあります。これにより、売上の多角化と安定的な成長が期待されています。
先端技術開発に伴う高コストとキャッシュフローの課題
売上が急増している一方で、オープンAIは最先端のAI開発に必要な半導体、データセンター、そしてAI人材の確保にかかる多大なコストにも直面しています。そのため、同社は2029年まではキャッシュフローがプラスに転じないと見込んでいます。
ただし、2029年には売上が1,250億ドルを突破するとの予測もあり、中長期的な成長戦略が順調に進行していることがうかがえます。
ソフトバンクグループとの大型資金調達の交渉も進行中
報道によると、オープンAIは現在、ソフトバンクグループとの間で最大400億ドルの資金調達に向けた交渉を行っているとされており、企業評価額は最大3,000億ドルに達する可能性があります。
同社はもともと非営利団体として設立されましたが、近年はより一般的な営利型のパブリック・ベネフィット・コーポレーション(公共利益法人)への再編についても、規制当局との協議を進めていると伝えられています。
AI業界の主導企業としての地位を確立
ChatGPTの登場からわずか2年余りで、オープンAIは個人・法人問わず幅広いユーザー層を獲得し、AI業界におけるリーダー的存在へと成長しました。今後も、月額課金型モデルや高度なAI製品の導入を通じて、継続的な成長が期待されます。
AI関連市場全体の拡大に伴い、エヌビディアなどの関連銘柄にも注目が集まる中、オープンAIの事業展開は、米国株投資における大きな注目ポイントとなっています。