エヌビディアの株価が上昇、米国による半導体関税の先送りが追い風に

3月24日の米国市場でエヌビディア(NVDA)の株価が前週末比で3.5%上昇し、市場の注目を集めています。午後12時30分近くの取引では3.5%高の121.8ドルをつけ、同日のS&P500種指数(SPX)の1.6%上昇を上回るパフォーマンスとなりました。

この上昇の背景には、半導体輸入に対する新たな関税が少なくとも短期的には見送られる可能性があるという報道があります。

台湾からの半導体輸入に関する関税が先送りか

エヌビディアの最先端の半導体は台湾で製造されており、今回の関税見送りの報道は投資家の安心感につながっています。『ウォール・ストリート・ジャーナル』によると、4月2日にホワイトハウスが発表を予定している報復関税の中に、半導体などの特定のセクターを対象とした措置は含まれない見通しだと、政権関係者が明らかにしたとされています。

TSMC(TSM)は、米国への1,000億ドル規模の投資を表明しているにもかかわらず、トランプ大統領はこれまで複数回にわたり、台湾からの半導体輸入に関税を課す意向を示してきました。

米国は中国への技術流出防止を優先か

さらに、米国政府が輸出規制の拡大よりも、他国と連携して中国への高度な半導体の流出を防ぐ取り組みを優先している兆しも見られます。

マレーシアの貿易大臣は『フィナンシャル・タイムズ』のインタビューで、トランプ政権からエヌビディアの半導体が中国に流出しないよう監視するよう要請を受けたことを明らかにしました。

アナリストはエヌビディアを「ディフェンシブ」と評価

同日、メリウス・リサーチのアナリストであるベン・ライツェス氏は、現在の市場環境下でエヌビディア株は以前よりもリスクが低下していると指摘しました。同氏は、2025年の予想一株当たり利益に基づく株価収益率(PER)が26倍と、バリュエーション面での魅力もあると評価しています。

また、同氏は「GTC(エヌビディア主催の技術カンファレンス)では、同社が需要について懸念を抱いているようには見えなかった」と述べており、企業としての強気な姿勢が感じられる内容となっています。

半導体関連銘柄全体にも追い風

エヌビディアだけでなく、他の半導体関連企業もこの日の取引で上昇しました。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価は6.8%上昇し、ブロードコム(AVGO)は0.8%の上昇となりました。セクター全体に対する投資家の信頼感が高まっていることがうかがえます。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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