3月18日(火)の米国株式市場は2日間の上昇を経て下落しました。主要3指数は揃って反落し、特にハイテク株を中心に売りが広がりました。
以下は、18日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
ルシッド・グループ(LCID)
株価変動: +8.80%
詳細: ルシッド・グループは、米国の高級電気自動車(EV)メーカーで、特に長距離航続性能に優れたEVを開発しています。モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス氏が同社の格付けを「アンダーウェイト」から「イコールウェイト」に引き上げたことを受け、株価は急騰しました。ジョナス氏は、AI技術を活用した戦略的パートナーシップの可能性を評価し、ルシッドの成長ポテンシャルを指摘しました。
インテル (INTC)
株価変動: +0.90%
詳細: インテルは、世界最大級の半導体メーカーで、特にPCやデータセンター向けプロセッサで高いシェアを誇ります。新CEOのリップブー・タン氏が正式に就任し、中間管理職の削減やAI向け半導体の強化、製造技術の向上などの改革を進める計画が市場で好感されました。株価はこの4日間で約30%上昇しています。
エヌビディア (NVDA)
株価変動: -3.43%
詳細: エヌビディアは、グラフィックス処理ユニット(GPU)を主力とする半導体企業で、AI向けチップ市場でも圧倒的なシェアを持っています。現在開催中のGTC AIカンファレンスでは、ゼネラル・モーターズ(GM)とのAI活用に関する提携拡大が発表されました。しかし、投資家の期待を超える内容ではなかった可能性があり、株価は下落しました。
アルファベット (GOOGL)
株価変動: -2.20%
詳細: アルファベットは、Googleを傘下に持つ親会社で、インターネット検索やクラウド事業、広告ビジネスを展開しています。同社は、サイバーセキュリティ企業ウィズを32億ドルで買収すると発表しました。この買収はGoogle Cloudのセキュリティ強化を目的としていますが、市場は買収コストの高さを懸念し、株価は下落しました。
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パランティア・テクノロジーズ (PLTR)
株価変動: -3.96%
詳細: パランティア・テクノロジーズは、データ分析と人工知能(AI)を活用したソフトウェアを提供する企業で、特に政府機関向けのサービスに強みを持っています。株価は4%下落し、ジェフリーズのアナリストが「アンダーパフォーム」の評価を維持したことが影響しました。現在のバリュエーションが割高であるとの見解が示されており、株価は過去1年間で約253%上昇しているものの、2月18日以降は32%の下落となっています。
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テスラ (TSLA)
株価変動: -5.34%
詳細: テスラは、電気自動車(EV)およびエネルギー関連製品を開発・販売する世界的なEVメーカーです。中国EV市場の競争激化や、BYDの新しい充電技術(5分で400km走行可能)が発表されたことで、テスラの競争力に対する懸念が高まっています。また、イーロン・マスク氏の政治的発言がブランド価値に悪影響を及ぼしている可能性も指摘され、株価は5.3%下落し、8週間連続の下落となりました。
ビッグベアAI(BBAI)
株価変動: -14.89%
詳細: ビッグベアAIは、人工知能(AI)ソフトウェアを開発する企業で、政府や企業向けにデータ解析ソリューションを提供しています。2024年の年次報告書の提出遅延を発表し、過去数年分の財務報告を修正する必要があると説明しました。この発表を受け、株価は急落しました。
サレプタ・セラピューティクス (SRPT)
株価変動: -27.44%
詳細: サレプタ・セラピューティクスは、遺伝子治療やRNA治療を開発するバイオテクノロジー企業で、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療薬に注力しています。同社の遺伝子治療薬Elevidysを投与された患者が急性肝不全で死亡したことが報告され、市場は安全性リスクを懸念。これを受けて株価は27%急落しました。
*過去記事 株価変動