バークシャー・ハサウェイが過去最高値を更新、S&P500を大幅に上回る

  • 2025年3月18日
  • 2025年3月18日
  • BS余話

バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の株価は、2025年も力強い上昇を続け、過去最高値を更新しました。同社の株価はS&P500種株価指数を大きく上回るパフォーマンスを記録しています。

クラスA株とクラスB株がともに過去最高値を更新

3月17日の米国市場では、バークシャー・ハサウェイのクラスA株が1.8%上昇し、終値は784,957ドルとなりました。一方、クラスB株は1.6%上昇し、終値は523.01ドルでした。どちらも過去最高値を更新しています。S&P500種株価指数が3.2%下落している中で、バークシャーのクラスA株は年初から15.3%の上昇を記録しています。

S&P500を大幅に上回る長期的な成長

バークシャー・ハサウェイは、過去3年、5年、10年、20年にわたりS&P500種株価指数を上回るパフォーマンスを示しています。特に直近の数年では、同社の成長が際立っています。

17日の値上がりについて、バークシャー・ハサウェイの株価上昇の理由となる特筆すべきニュースはありませんでしたが、日本の商社5社の持ち株比率を引き上げたことが一因と考えられます。

自社株買いは行わず、バフェット氏は株価を「割安」と見ず

バークシャー・ハサウェイは、2月10日から3月5日までの期間に自社株買いを行いませんでした。これは株価が強いことを示しており、ウォーレン・バフェット最高経営責任者(CEO)が株価を割安と見ていないことを意味しています。

一般的に、自社株買いの減少は株価に悪影響を与えることが多いですが、最近の四半期ではバークシャーの株価に悪影響は見られませんでした。同社は2月下旬に発表した第4四半期決算で、税引き後営業利益が70%増加したことを受け、投資家が積極的に株を購入しています。

3,000億ドル以上の現預金と高い売上を誇るバークシャー

バークシャー・ハサウェイは3,000億ドル以上の現預金と高い売上を誇り、多くの投資家にとって「安全な投資先」として評価されています。また、ハイテク株の代表格であるエヌビディア(NVDA)などの「マグニフィセント・セブン」からの資金流出が、S&P500最大のバリュー株であるバークシャー・ハサウェイを後押ししている可能性があります。さらに、損害保険セクターの好調も同社にとって追い風となっています。

現在、バークシャー・ハサウェイの時価総額は1.1兆ドルに達しています。

日本の商社5社の持ち株比率を9.8%に引き上げ

バークシャー・ハサウェイは2019年から日本の5大商社(伊藤忠商事、住友商事、丸紅、三菱商事、三井物産)の株式を保有しています。最近、同社はこれらの持ち株比率を8.5%から9.8%に引き上げました。

バフェット氏は年次株主書簡で、この5銘柄の持ち株比率を「いくらか」引き上げる可能性が高く、これまで10%だった持ち株比率の上限を「適度に緩和する」ことを5社から承認されたと記しています。

2024年末時点で、バークシャーが保有する5銘柄の株式価値は235億ドルとなり、138億ドルだった以前の価値からほぼ倍増しています。これらの日本の商社株は、バークシャーにとって過去10年間で最も成功した投資の一つとなっています。

バークシャーの株主還元実績

過去5年間のバークシャー・ハサウェイの年率リターンは22.1%に達しています。過去10年間では年率13.7%の上昇を記録し、S&P500のリターンを1ポイント上回っています。過去20年間では、S&P500種株価指数の年率10.2%に対し、バークシャーは年率11.4%の成長を遂げています。これらの数値は、ブルームバーグの計算に基づいています。

株価の評価

現在、バークシャー・ハサウェイの株価は2024年末の簿価の1.7倍強、2025年の予想利益の約25倍で取引されています。これらの数値は、過去10年間の評価レンジの上限に位置しています。

バフェット氏と後継者グレッグ・エイベル氏への信頼

ウォーレン・バフェット氏(94歳)とその後継者と目されるグレッグ・エイベル氏に対して、投資家は引き続き高い信頼を寄せています。その結果、バークシャー・ハサウェイの株価は今後も安定した成長を続けると期待されています。

バークシャー・ハサウェイの株価は、長期的な投資先としての魅力を持ち続けており、今後も注目される企業の一つであり続けそうです。

*過去記事「バークシャー・ハサウェイの第4四半期業績:営業利益が過去最高を記録

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