アップルの株価回復の可能性 – AIの遅れを乗り越えられるか?

iPhoneのメーカーであるアップル(AAPL)は、自社モデルの人工知能(AI)アップグレードを延期したことで、多くの批判を受けています。しかし、メリウス・リサーチのアナリストであるベン・ライツェス氏は、アップルの株価回復の可能性を指摘しています。

iPhoneの販売予測引き下げとSiriの遅れが影響

2025年のiPhone販売台数について、シティグループとモルガン・スタンレーは予想を引き下げました。さらに、著名ブロガーのジョン・グルーバー氏は、アップルの音声アシスタント「Siri」の新機能の遅れを、同社の信頼を損なう「大失敗」と厳しく批判しています。

このような状況を受け、アップルの株価は短期的に下落しました。しかし、ライツェス氏は、過去の成功例をもとに、アップルの株価回復の可能性があると考えています。

iPhone Xの教訓 – 過去の戦略が示す未来の可能性

2017年に発売されたiPhone Xでは、大型ディスプレイの採用や、ボタンを押さずにロック解除できるFace IDの導入により、大幅な値上げが行われました。当時の販売台数は横ばいでしたが、売上は増加し、株価はその後の12か月で46%上昇しました。

この成功事例を踏まえると、アップルは今後のiPhoneラインナップを刷新し、折りたたみ式スマートフォンを投入することで、同様の効果を生み出す可能性があります。

米中貿易問題の影響とアリババとの協力

米国と中国の貿易摩擦が続く中、アップルは関税や規制の影響を受ける可能性があります。しかし、中国の大手小売企業であるアリババと協力し、現地向けのAIサービスを開発しているとの報道が事実であれば、状況は改善する可能性があります。

また、アップルが関税の免除を交渉できる可能性もあり、これが実現すれば、同社の中国市場での競争力を維持できると考えられます。

強力なキャッシュフローと自社株買い

アップルは、米国の大手テクノロジー企業の中でも最も強力なキャッシュフローを生み出している企業の一つです。そのため、当面の間、安定したペースで自社株買いを続けることができると予測されています。

アップルの目標株価は290ドル

メリウス・リサーチは、アップルの株価が今後2年間で290ドルに到達すると予想しています。現在の市場環境では短期的な変動が続く可能性がありますが、長期的な成長の余地は十分にあるとみられています。

現在の株価動向

3月17日の米国株式市場では、午後1時過ぎの段階でアップルの株価は1.1%安の211.17ドルで取引されています。年初来では15.5%下落していますが、ライツェス氏の目標株価は現在の価格から37%の上昇余地があること示すものとなっています。

まとめ

アップルはAI技術の遅れやiPhoneの販売台数予測の引き下げによる短期的な株価下落に直面しています。しかし、過去のiPhone Xの成功や、折りたたみ式スマートフォンの導入といった新たな戦略が、今後の成長を支える可能性があります。

また、中国市場でのアリババとの協力関係が明らかになれば、米中貿易摩擦の影響を軽減することができるかもしれません。さらに、強力なキャッシュフローによる自社株買いが株価を支える要因となりそうです。

長期的な視点で見ると、アップルの株価が290ドルに到達する可能性があるため、投資家にとっては注目すべき銘柄の一つとなっています。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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