3月17日(月)の米国株式市場は、約1か月ぶりに2営業日連続で上昇しました。市場では、予想を下回る米国小売売上高データにもかかわらず、投資家心理が改善しつつあります。
以下は、17日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
バイドゥ (BIDU)
株価変動: +9.01%
詳細: バイドゥは、中国の検索エンジンを提供する大手テクノロジー企業で、AI分野にも積極的に投資しています。新しいAIモデル「Ernie X1」を発表し、株価は大幅に上昇しました。このモデルは競合するディープシークのAIモデルと同等の性能を持ちながら、コストを半分に抑えることができるとされており、市場の期待を集めて株価が急騰しました。
サイエンス・アプリケーションズ・インターナショナル (SAIC)
株価変動: +7.15%
詳細: サイエンス・アプリケーションズ・インターナショナルは、政府向けITサービスを提供する企業で、防衛・宇宙関連の技術支援を行っています。第4四半期の調整後利益が市場予想を上回り、株価は急騰しました。さらに、通期の業績予想の下限を引き上げたことも投資家の信頼を集め、株価の上昇につながりました。
インテル (INTC)
株価変動: +6.82%
詳細: インテルは、世界最大級の半導体メーカーで、パソコンやデータセンター向けのプロセッサを提供しています。株価は6.8%上昇しました。新CEOのリップ・ブー・タン氏が中間管理職の削減、半導体製造の改善、AI向けチップの開発を進める方針を示していると報じられたことが、市場の期待を集めています。特に、AI市場の成長に合わせた戦略強化が、投資家の注目を集めています。
*関連記事「インテルの新CEO、リップブー・タン氏の改革に市場が期待」
ノルウェジアン・クルーズ・ライン・ホールディングス(NCLH)
株価変動: +4.43%
詳細: ノルウェジアン・クルーズ・ライン・ホールディングスは、世界的なクルーズ会社で、豪華客船を運航しています。J.P.モルガンが投資判断を「オーバーウェイト(買い)」に格上げし、株価が上昇しました。目標株価は30ドルに据え置かれ、旅行需要に大きな変化がないことが、投資家に安心感を与えました。
ネットフリックス (NFLX)
株価変動: +3.49%
詳細: ネットフリックスは、世界最大の動画ストリーミングサービスを提供する企業です。モフェット・ナサンソンのアナリストが投資判断を「買い」に格上げし、株価は上昇しました。目標株価は1,100ドルに設定されており、同社の広告付きプランの価格引き上げが、収益の向上につながると期待されています。
*関連記事「株価1,100ドルの可能性!ネットフリックスの利益率改善と成長シナリオを分析」
エヌビディア (NVDA)
株価変動: -1.76%
詳細: エヌビディアは、AI処理向けGPU(グラフィックス処理ユニット)を開発する半導体企業です。株価は下落しましたが、3月18日から始まる「GTC AIカンファレンス」を控えた調整と見られています。エヌビディアは、最新のAIチップ「ブラックウェルl」の後継モデルを発表する予定であり、CEOジェンスン・ファン氏の基調講演に注目が集まっています。
*関連記事「エヌビディアのGTCカンファレンス:AIブームの転換点と今後の展望」
アファーム (AFRM)
株価変動: -4.23%
詳細: アファームは、「今買って後で払う(BNPL)」を提供するフィンテック企業です。株価は4.2%下落しました。これは、スウェーデンのフィンテック企業クラーナがウォルマートのBNPLプロバイダーとして採用されることが発表されたためです。アファームは2019年からウォルマートと提携しており、この変更が業績に影響を与える可能性があります。
*関連記事「アファームの株価急落:クラーナのウォルマート提携が影響」
テスラ (TSLA)
株価変動: -4.79%
詳細: テスラは、電気自動車(EV)とエネルギーソリューションを提供する企業です。株価は4.8%下落し、8週間連続での下落という過去最長の記録を更新しました。この8週間での下落率は41%に達しており、CEOのイーロン・マスク氏の政治的発言が投資家心理に影響を与えたことが一因とされています。
インサイト (INCY)
株価変動: -8.62%
詳細: インサイトは、がん治療や皮膚疾患治療のバイオ医薬品を開発する企業です。株価は8.6%下落しました。同社は皮膚疾患治療薬の第3相試験のポジティブな結果を発表しましたが、投資家の期待を下回る内容であったことが、株価下落の要因となりました。アナリストによると、試験結果のプラセボ調整後の有効率が第2相試験の結果より低かったことが市場の懸念を呼んでいます。
*過去記事 株価変動