アファームの株価急落:クラーナのウォルマート提携が影響

フィンテック業界の競争が激化する中、アファーム(AFRM)の株価が急落しました。背景には、同業他社であるクラーナがウォルマート(WMT)と新たな提携を結び、「今買って後で払う(BNPL)」ローンの唯一のプロバイダーとなることが発表されたことがあります。このニュースを受け、3月17日の米国市場の10:20過ぎの段階でアファームの株価は13%下落し、43.5ドルとなりました。

ウォルマートとの関係が変化するアファーム

アファームは2019年にウォルマートと初めて提携し、BNPLサービスを提供してきました。しかし、今回クラーナがウォルマートの唯一のBNPLプロバイダーとなることが決定し、アファームにとってはマイナス要因となっています。

クラーナは17日、消費者金融アプリ「OnePay」と提携し、ウォルマートでBNPLローンを提供すると発表しました。この提携により、ウォルマートの顧客はクラーナのOnePayを利用して、電子機器や家庭用品、自動車関連商品などを分割払いで購入できるようになります。ローンの返済期間は3か月から36か月の範囲で選択可能です。

クラーナのIPOと市場環境

クラーナは先週14日に新規株式公開(IPO)の目論見書を提出しました。具体的な募集株式数や価格帯はまだ決まっていませんが、ニューヨーク証券取引所に「KLAR」のティッカーシンボルで上場を申請しました。

市場環境は依然として不透明であり、シーポートリサーチのアナリストであるジェフ・キャントウェル氏は、IPOに向けた課題について以下のように指摘しています。

「現時点では、関税やマクロ経済の懸念から市場が一進一退を繰り返しており、投資家の投資意欲を慎重に見極める必要がある。」

この発言からもわかるように、クラーナのIPOが成功するかどうかは、市場の状況や投資家の需要に大きく依存しています。

アファームの今後の戦略

アファームは証券取引所に提出した書類の中で、ウォルマートは依然として同社の統合加盟店パートナーであると説明しています。しかし、クラーナとの契約変更による影響は避けられません。

アファームはバロンズへの電子メール声明で、以下のようにコメントしています。

「当社は、引受や資本市場における優位性から、加盟店が優れたパフォーマンスと最大限の価値を求める際に選ばれる企業です。今後も、商品力で勝負し、持続可能なパートナーシップを築くという長期的な戦略を継続していきます。」

まとめ

今回のウォルマートとクラーナの提携は、アファームにとって痛手となりました。一方で、BNPL市場全体は引き続き成長が期待されており、アファームがどのような戦略を打ち出すのかが注目されています。

今後、クラーナのIPOの成否や市場環境の変化によって、フィンテック業界全体の競争構図が大きく変わる可能性があります。投資家にとっては、アファームの次の一手を慎重に見極めることが重要となります。

*過去記事「アファーム株が急上昇、四半期決算が市場予想を上回る

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