パランティア・テクノロジーズ(PLTR)のアレックス・カープ最高経営責任者(CEO)は、同社がアメリカの製造業をより効率的にすることを目指していると明らかにしました。3月13日、カリフォルニア州パロアルトで開催されたAIPConで講演し、特に防衛技術企業との協力を強化し、航空機や潜水艦などのハードウェア製造の革新を進める計画を発表しました。
パランティアのAIが防衛技術企業の製造プロセスを支援
パランティアは、新興の防衛技術企業との連携を進めており、人工知能(AI)技術を活用して製造業の効率を向上させる計画を発表しました。
例えば、垂直離着陸機を開発するアーチャー・アビエーション(ACHR)は、パランティアのAIを航路計画や航空管制に活用し、製造規模の拡大を進めています。また、自律型船舶の開発を手がけるセイルドローンも、パランティアのソフトウェアを船隊管理や部品購入の最適化に利用する予定です。
このほか、自律型水上バイクを製造するサロニック・テクノロジーズや、ドローン迎撃兵器を開発するエピラスも、パランティアの技術を導入する計画を進めています。
米国の産業能力強化への貢献
カープ氏はAIPConの講演で、「これはパランティアが予測していた瞬間だ」と語り、米国の産業能力を向上させる必要性を強調しました。同社は国防分野だけでなく、広範な製造業分野への進出を進めており、国家安全保障の強化を目的とした新たな技術開発にも積極的に取り組んでいます。
また、カープ氏は自身の著書『The Technological Republic』を執筆しており、カンファレンスでは来場者にそのコピーが配布されました。
パランティアの株価が急騰、老舗防衛企業を追い抜く
パランティアの株価はここ数年で急上昇しており、過去1年で200%以上の上昇を記録しました。その結果、RTX(RTX)やロッキード・マーチン(LMT)などの老舗防衛企業の時価総額を上回る成長を遂げています。
この株価上昇の要因の一つは、同社のAI技術への高い需要です。カープ氏は、「パランティアのAIツールに対する需要は、供給を上回っている」と述べ、今後も成長が続く可能性を示唆しました。
パランティア、商業ビジネスを拡大
2003年にアレックス・カープ氏とピーター・ティール氏らによって設立されたパランティアは、政府機関向けのデータ分析サービスで知られてきました。しかし、現在は商業ビジネスにも積極的に進出しており、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)、ハイネケン(HEIA)、ゼネラル・ミルズ(GIS)などの企業と提携しています。
ブルームバーグのデータによると、2025年にはパランティアの商業部門の売上が政府向け売上を上回ると予想されています。この傾向は、企業がデータ分析やAI技術の活用を進める中で、パランティアの技術が求められていることを示しています。
AIPConで企業代表がパランティアの技術活用について言及
AIPConでは、AT&T(T)、ウォルグリーン(WBA)、ウェンディーズ(WEN)、防衛請負会社のL3ハリス・テクノロジーズ(LHX)などの代表が登壇し、パランティアのAIツールの活用方法について語りました。
パランティアは今後も、AIを活用したデータ分析技術を強みに、国防や商業ビジネスの両面で成長を続けていくことが期待されています。
*過去記事はこちら パランティア PLTR