3月12日の米国市場で注目された大きく動いた銘柄

3月12日(水)の米国株式市場は、ダウ30種平均は下落したものの、S&P 500とナスダックは上昇しました。貿易摩擦の懸念がくすぶる中、2月の米国消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る鈍化を示し、投資家のセンチメントを押し上げました。特に、ハイテク株が市場の牽引役となりました。
以下は、12日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。

テスラ (TSLA)

株価変動: +7.59%
詳細: テスラは電気自動車(EV)メーカーであり、バッテリー技術や自動運転技術の分野で業界をリードしています。トランプ大統領がテスラ支持の発言を行い、イーロン・マスクが米国内生産を2年以内に倍増する計画を発表したことで、市場の期待が高まり株価が急騰しました。

パランティア・テクノロジーズ (PLTR)

株価変動: +7.17%
詳細: パランティア・テクノロジーズは、データ分析ソフトウェアを提供する企業で、政府機関や大手企業向けに高度なデータ解析ツールを開発しています。新規顧客として「ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス」や「ハイネケン」を獲得したことが発表され、商業分野での成長期待が高まり株価が急伸しました。
*関連記事「パランティアの株価が上昇、新規顧客の発表が追い風に

エヌビディア (NVDA)

株価変動: +6.43%
詳細: エヌビディアは、GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)の開発を手掛け、AI・ゲーム・データセンター向けの半導体市場で大きなシェアを持っています。ここ1か月で株価は7.6%下落していましたが、TSMCがエヌビディアにインテルの工場への出資を打診したという報道を受け、投資家の期待が高まり株価が反発しました。
*関連記事「TSMCがインテルの工場を運営⁉ 半導体業界に激震が走る理由とは?

ケーシーズ・ジェネラル・ストアーズ (CASY)

株価変動: +6.17%
詳細: ケーシーズ・ジェネラル・ストアーズは、米国でガソリンスタンド併設のコンビニエンスストアを展開する企業です。第3四半期の売上高が前年比17%増の39億ドルとなり市場予想を上回ったことに加え、通期のEBITDA成長率見通しを10%→11%に上方修正したことで株価が急上昇しました。

センチュリー・アルミニウム (CENX)

株価変動: +5.74%
詳細: センチュリー・アルミニウムは、アルミ製品の製造を手掛ける企業です。トランプ政権によるアルミ関税(10%)の発動を受けて、米国内アルミメーカーの競争力が強化され、株価が上昇しました。

インテル (INTC)

株価変動: +4.55%
詳細: インテルは、世界最大級の半導体メーカーであり、PCやサーバー向けプロセッサー市場で圧倒的なシェアを持っています。TSMCがエヌビディアやAMD、ブロードコムに対してインテルの工場への出資を打診したとの報道を受け、工場投資の進展期待が高まり、株価が上昇しました。
*関連記事「TSMCがインテルの工場を運営⁉ 半導体業界に激震が走る理由とは?

アルコア (AA)

株価変動: +4.04%
詳細: アルコアは、アルミニウム製品の生産を行う世界的なメーカーです。輸入関税の影響で国内製品の需要が高まるとの期待が強まり、株価が上昇しました。

スーパー・マイクロ・コンピューター (SMCI)

株価変動: +3.99%
詳細: スーパー・マイクロ・コンピューターは、AIサーバーや高性能コンピューティング向けのハードウェアを開発する企業です。AI市場の成長が追い風となり、ローゼンブラット証券が「買い」推奨を再開し目標株価を60ドルに設定したことで、株価が急伸しました。

USスチール (X)

株価変動: +2.67%
詳細: USスチールは、米国の大手鉄鋼メーカーです。トランプ政権の鉄鋼関税(25%)の発動により、米国内鉄鋼メーカーの競争力が強化され、収益増加の期待から株価が上昇しました。

スチール・ダイナミクス (STLD)

株価変動: +2.29%
詳細: スチール・ダイナミクスは、鉄鋼製品の製造と販売を行う企業です。米国の鉄鋼関税政策により国内生産が優位になり、業績向上の期待から株価が上昇しました。

ニューコア (NUE)

株価変動: +0.74%
詳細: ニューコアは、米国最大の鉄鋼メーカーの一つで、スクラップリサイクルによる生産を強みとしています。関税の影響で米国内の鉄鋼価格が上昇するとの見方が強まり、株価が上昇しました。

イーライ・リリー (LLY)

株価変動: -0.27%
詳細: イーライ・リリーは、糖尿病やがん治療薬を手掛ける米国の大手製薬企業です。Rocheが肥満治療薬市場への参入を発表したことで、同社のGLP-1受容体作動薬「Zepbound」に対する競争圧力が高まり、株価が小幅下落しました。

ベライゾン・コミュニケーションズ (VZ)

株価変動: -1.93%
詳細: ベライゾン・コミュニケーションズは、米国最大手の通信事業者の一つであり、モバイルやインターネットサービスを提供しています。Wolfe Researchが格付けを「Outperform(買い)」から「Peer Perform(中立)」に引き下げ、さらに競争の激化による業績懸念が広がり、株価が下落しました。

ノボ・ノルディスク (NVO)

株価変動: -4.25%
詳細: ノボ・ノルディスクは、糖尿病や肥満治療薬の開発で世界をリードする製薬企業です。スイスのRocheがZealand Pharmaと共同で肥満治療薬を開発する契約を締結したことで、市場競争が激化するとの懸念が高まり、株価が下落しました。


*過去記事 株価変動

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