S&P 500の最新銘柄入れ替え!ドアダッシュ、TKOグループらの採用理由とは?

  • 2025年3月8日
  • 2025年3月8日
  • BS余話

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは3月7日、今月末にS&P 500に新たに4社を追加すると発表しました。今回の選定では、市場の安定性を重視した判断が行われたようです。新たに加わる企業は、ドアダッシュ(DASH)、TKOグループ・ホールディングス(TKO)、ウィリアムズ・ソノマ(WSM)、エクスパンド・エナジー(EXE)の4社です。

S&P 500の選定基準と今回の特徴

S&P 500は、米国の代表的な500社を集めた株価指数ですが、単に時価総額の上位500社が選ばれるわけではありません。選定には売上、浮動株比率、業種の多様性、ボラティリティといった要素が考慮されます。今回の選定では、特に安定性が重視されたとみられています。

たとえば、ドアダッシュは時価総額の大きい企業ですが、さらに大きな規模を持つアプラビン(APP)インタラクティブ・ブローカーズ・グループ(IBKR)は選ばれませんでした。これは、アプラビンが最近ショートセラーによる批判を受けたことや、過去1年間で700%以上の急騰を見せるなど、ボラティリティの高さが考慮された可能性があります。

また、仮想通貨取引プラットフォームを運営するコインベース(COIN)も候補に挙がっていましたが、仮想通貨市場の規制環境が不安定であることが影響し、今回は見送られました。

S&P 500への追加が株価に与える影響

S&P 500に採用される企業の株価は、発表直後に上昇する傾向があります。その理由は、S&P 500をベンチマークとするインデックスファンドが新たに選ばれた企業の株を組み入れるため、大量の買いが発生するからです。

今回もその影響が見られ、発表後の時間外取引では、ドアダッシュが6%、TKOグループ・ホールディングスが2.4%、ウィリアムズ・ソノマが1.6%、エクスパンド・エナジーが2.3%上昇しました。一方で、選外となったアプラビンは4.3%、インタラクティブ・ブローカーズ・グループは2.6%、コインベースは2.1%の下落となりました。

過去の例から見るS&P 500入りの影響

S&P 500への追加は短期的な株価上昇につながるものの、長期的には必ずしも株価を押し上げるとは限りません。実際に、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)が2024年3月にS&P 500に追加された際も、発表直後は上昇しましたが、その後半値以下にまで下落しました。これは、同社の財務管理に対する懸念や、サーバー市場の競争激化が影響したためです。

バーンスタインのアナリストによると、新たにS&P 500に採用された企業の株価は、発表前1年間は市場平均を大幅に上回る傾向がありますが、発表後のパフォーマンスは限定的で、時間が経つにつれて市場平均を下回ることもあると指摘しています。

S&P 500から除外される企業

新たな4社が追加される一方で、ボルグワーナー(BWA)、テレフレックス(TFX)、セラネーゼ(CE)、FMC(FMC)の4社がS&P 500から除外されることになりました。これらの企業は、時価総額や流動性の観点から基準を満たさなくなったと考えられます。

今回のS&P 500の選定が示す市場の方向性

今回の選定から、市場はボラティリティの高い企業よりも、安定した成長が期待できる企業を重視する傾向が見られます。特に、成長性だけでなく安定した売上を確保している企業が選ばれる傾向が強まっており、短期的な急騰よりも持続的な成長を見極める姿勢が反映されているようです。

今後もS&P 500の構成銘柄の変更が市場にどのような影響を与えるのか、注目していく必要があります。

*過去記事「S&P500の定期入れ替え直前!投資家が注目すべき銘柄はこれ!

最新情報をチェックしよう!