コストコの株価が急落!今が買い時なのか?

  • 2025年3月8日
  • 2025年3月8日
  • BS余話

コストコ・ホールセール(COST)の株価が、3月7日の米国市場で約7.5%下落しました。この下落率は約1年ぶりの大きさで、S&P 500指数の中で3番目に悪いパフォーマンスとなりました。今回の急落は、同社の第2四半期決算におけるわずかな利益の下振れが原因ですが、アナリストはそれほど懸念していないようです。むしろ、今が買いのチャンスと考える専門家も多くいます。

コストコの決算は市場予想を下回るも、売上は堅調

コストコが発表した2025年第2四半期の1株当たり利益(EPS)は4.02ドルで、市場予想の4.09ドルを下回りました。しかし、売上は力強く成長を続けています。同社の2月の米国内既存店売上は8.6%増となり、他の小売企業が苦戦する中で際立った成長を見せました。

UBSのアナリストであるマイケル・ラッサー氏は、「この利益の下振れは構造的な問題ではなく、為替の影響によるものだ」と指摘しています。実際、コストコは為替変動による影響で1株当たり利益が13セント押し下げられたと説明しています。

コストコの強みとは?外部環境の影響を受けにくい理由

コストコの事業モデルは、外部環境の影響を比較的受けにくいと評価されています。その理由の一つは、輸入依存度の低さです。米国内の売上のうち約3分の1が輸入品ですが、中国、メキシコ、カナダからの輸入はその半分以下にとどまります。このため、関税の影響を受けにくいと考えられています。

さらに、コストコの「トレジャーハント型」の販売戦略と、厳選された商品の取り扱いは、サプライヤーに対する強い交渉力を生み出しています。バーンスタインのアナリストであるジハン・マ氏は、「関税の影響が生じたとしても、コストコは商品構成を柔軟に調整できる」と評価しています。

株価下落は買いのチャンスか?アナリストの見解

コストコの株価は、7日の米国市場で一時944.38ドルまで下落しました。しかし、これは新規投資家にとって魅力的なエントリーポイントになる可能性があります。バーンスタインはコストコの目標株価を1,177ドルに引き上げ、「アウトパフォーム」の評価を継続しました。

一方で、コストコの成長が今後も続くのかどうか、懐疑的な見方もあります。同社の株価収益率(PER)は53.7倍と高く、2026年度の1株当たり利益の成長率予想は10%にとどまっています。このため、一部の投資家はバリュエーションの高さを懸念しており、株価が上昇し続けるかどうかを注視しています。

今後の成長戦略と収益向上のポイント

コストコは、さらなる成長を目指して新たな施策を進めています。その一つが、ガソリンスタンドの営業時間延長の試験運用です。また、自社広告ネットワークの拡大を進めており、広告事業の収益化を強化する方針です。

さらに、今年は会員シェアの防止策を強化することで、収益性を向上させる計画です。コストコの会員制モデルは、安定した収益基盤を支える重要な要素であり、年会費の値上げも実施される可能性があります。

コストコ株は安全資産?市場の不透明感の中での強み

ウィリアム・ブレアのアナリストであるフィリップ・ブリー氏は、「コストコは、多くの投資家にとって安全な投資先であり、経営の安定性と卓越した運営能力を備えている」と述べています。消費者の購買動向が不透明な中でも、コストコのビジネスモデルは強固であり、市場の不確実性を乗り越える可能性が高いと考えられています。

まとめ:コストコ株は買い時か?

コストコの株価は決算発表後に急落しましたが、売上の成長は力強く、アナリストの評価も引き続き高い水準を維持しています。関税や為替の影響を受けにくいビジネスモデルを持ち、今後の成長戦略も明確です。

株価下落を短期的な調整と捉え、長期的な視点でコストコ株を検討する投資家にとっては、今回の下落は絶好の買いのチャンスかもしれません。

*過去記事「コストコ株、目標株価1,132ドルへ!成長する小売王者の強みとは?

最新情報をチェックしよう!