レアアース関連株が急上昇!トランプ大統領の発表で注目すべき銘柄は?

  • 2025年3月6日
  • 2025年3月6日
  • BS余話

米国の株式市場や経済ニュースを伝えるマーケットウォッチが、トランプ大統領によるレアアースおよび重要鉱物の国内生産拡大計画について報じました。本記事では、マーケットウォッチの記事内容を紹介しながら、その影響や関連銘柄について解説します。

米国のレアアース生産拡大とウクライナとの交渉

マーケットウォッチの記事によると、トランプ大統領は議会合同会議での演説において、米国のレアアース生産拡大に向けた新たな政策を発表しました。これは、米国内での重要鉱物供給を強化し、外国への依存を減らすことを目的としたものです。

この発表の数日前には、ウクライナのゼレンスキー大統領とトランプ大統領がホワイトハウスで会談を行いました。当初、米国とウクライナの間で鉱物資源取引に関する合意が進むと見られていましたが、最終的にゼレンスキー大統領は合意書に署名せず、交渉は継続することになりました。

それにもかかわらず、トランプ大統領はウクライナとの取引について楽観的な姿勢を示し、「ゼレンスキー大統領から、米国との合意に署名する準備が整っていると記された書簡を受け取った」と述べました。この点について、マーケットウォッチは「交渉はまだ継続している」と伝えています。

トランプ大統領の発言を受けて急騰する関連株

マーケットウォッチによると、トランプ大統領の発表を受けて、米国のレアアース関連銘柄が急騰しました。特に以下の企業の株価が3月5日の米国市場の午後2時過ぎの段階で上昇しています。

  • MPマテリアルズ(MP):10%上昇
  • エナジー・フューエルズ(UUUU):1.8%上昇
  • ニオコープ・ディベロップメンツ(NB):3.3%上昇
  • アルコア(AA):3%上昇

さらに、レアアースや戦略金属に関連するETF(上場投資信託)も影響を受けました。

  • ヴァン・エック・レアアース&戦略金属ETF(REMX):3.87%上昇
  • iシェアーズ・リチウム・マイナーズ&プロデューサーズETF(ILIT):2.08%上昇

このように、レアアースや重要鉱物関連の政策は、株式市場に大きな影響を与えています。

ウクライナの鉱物資源の価値と交渉の行方

マーケットウォッチの記事では、ウクライナの鉱物資源がいかに重要であるかも解説されています。2024年には、共和党のリンジー・グラム上院議員が「ウクライナには10兆ドルから12兆ドルの鉱物資源がある」と発言しています。

しかし、同記事の中でエネルギー・コモディティアナリストのガウラブ・シャルマ氏は、ウクライナの鉱物資源について次のような試算をしています。

  • ウクライナのレアアースの35~40%はロシアの占領下にある
  • ウクライナ全体の鉱物資源の17~20%はロシアが支配している
  • チタン、グラファイト、ジルコニウムの多くはウクライナ政府が管理している

このため、マーケットウォッチは「ウクライナとの鉱物取引の交渉はまだ流動的であり、すぐに大規模な契約が結ばれる可能性は低い」と分析しています。

米国の鉱物供給網の確保が急務に

マーケットウォッチの記事では、製造業とサプライチェーン戦略を専門とするLMAコンサルティング・グループの声明も紹介されています。LMAの社長であるリサ・アンダーソン氏は、「米国が安定した多様なレアアース供給網を確保することが極めて重要」と述べています。

アンダーソン氏は「レアアースがなければサプライチェーンは機能しない」と指摘し、半導体、AI、クリーンエネルギー、先端防衛技術すべてがレアアースに依存していると警鐘を鳴らしています。

アラスカの巨大天然ガスパイプライン計画も進行中

さらに、トランプ大統領は米国のエネルギー政策についても言及し、アラスカでの巨大天然ガスパイプライン計画が進行していることを発表しました。

トランプ大統領は、「日本や韓国などの国々が数兆ドル規模の投資を望んでいる」とし、「このプロジェクトは世界最大級の規模となり、すべての準備が整っている」と強調しました。

まとめ

マーケットウォッチの記事では、トランプ大統領のレアアース政策が米国の鉱物供給の強化とウクライナとの交渉の行方に大きな影響を与えることが指摘されています。

また、トランプ大統領の発言を受けて、レアアース関連の株式やETFが上昇しており、投資家にとっても注目すべきニュースとなっています。

今後、米国のレアアース生産拡大がどのように進むのか、ウクライナとの鉱物取引がどうなるのか、さらにはアラスカの天然ガスパイプライン計画が市場に与える影響についても引き続き注目が集まりそうです。

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