インテルの18Aプロセスにエヌビディアやブロードコムが注目

  • 2025年3月3日
  • 2025年3月3日
  • BS余話

ロイターが3月3日に報じた最新の情報によると、半導体設計大手のエヌビディア(NVDA)とブロードコム(AVGO)が、インテル(INTC)の次世代半導体製造プロセスである18Aプロセスのテストを進めていることが明らかになりました。この動きは、インテルが進める受託製造事業(ファウンドリー)の成否を左右する可能性があり、半導体業界で大きな注目を集めています。

本記事では、ロイターの報道をもとに、インテルの18Aプロセスが持つ意義や、エヌビディアやブロードコムの関与が業界に与える影響について詳しく解説します。

エヌビディアとブロードコムがインテルの18Aプロセスをテスト

ロイターの報道によると、エヌビディアブロードコムはインテルと協力し、同社の18Aプロセスを用いた製造テストを実施しているとのことです。このテストは、完全なチップ設計の生産ではなく、インテルの18Aプロセスがどの程度の性能を発揮するのかを評価するためのものとされています。

この動きは、両社が数億ドル規模の製造契約をインテルに委託する可能性を示唆しており、もし契約が成立すれば、インテルにとって大きなビジネスチャンスとなります。一方で、製造テストの実施が必ずしも契約につながるわけではなく、過去にブロードコムが行ったテストでは一部の幹部やエンジニアの期待を下回ったとの報道もあります。

インテルの18Aプロセスとは?

インテルの18Aプロセスは、同社が開発を進めてきた次世代半導体製造技術であり、AIプロセッサーやその他の高性能チップの製造が可能です。この技術は、台湾のTSMC(TSM)が提供する最先端プロセスと競合するものであり、インテルが半導体製造分野で再びリーダーシップを確立するための重要な要素となっています。

しかし、インテルの18Aプロセスは度重なる遅延に見舞われており、当初の計画からすでに2026年まで延期されています。さらに、ロイターの報道によると、18Aプロセスの一部の知的財産(IP)の認定に時間がかかっており、スケジュールがさらに6カ月遅れる可能性があるとのことです。これにより、中小規模のチップ設計企業の多くは、2026年半ばまで 18Aプロセスを利用できない状況になるとみられています。

AMDの動向とインテルの対応

ロイターによると、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)もインテルの18Aプロセスの評価を進めていますが、テストチップを工場に送ったかどうかは明らかになっていません。AMDはロイターの取材に対してコメントを控えたとのことです。

一方、インテルの広報担当者は「特定の顧客についてはコメントしない」とした上で、「インテルのエコシステム全体で18Aプロセスに対する強い関心と関与が続いている」と述べています。これは、インテルが依然として複数の顧客企業から注目を集めていることを示唆しているものの、実際の契約に至るかどうかは不透明な状況です。

インテルと米国政府の関係

インテルの受託製造事業の成否は、単なる企業の競争力の問題にとどまらず、アメリカの半導体産業の未来にも影響を与えると考えられています。特に、バイデン政権は米国内での最先端半導体製造を重視しており、ロイターの報道によると、TSMCのCEOである魏哲家氏バイデン政権の関係者が、インテルの工場部門における合弁事業の可能性について協議を行ったとのことです。

この会談では、TSMCインテルの工場事業の過半数の株式を取得する可能性や、他のチップ設計企業が新事業の株式を購入する可能性について話し合われたとされています。TSMCインテルはこの件に関するコメントを控えましたが、今後の展開が注目されます。

マイクロソフトやアマゾンとの契約

インテルは、マイクロソフト(MSFT)およびアマゾン・コム(AMZN)18Aプロセスによるチップ製造の契約を締結したことを発表しています。しかし、どのチップが製造されるのか、また生産量の規模については明らかにされていません。このため、業界ではこれらの契約がインテルのファウンドリー事業の成長にどの程度寄与するのか、引き続き注視する必要があります。

インテルのファウンドリー事業の未来

ロイターの報道では、インテルのファウンドリー事業の売上が2024年に60%減少したことが指摘されています。同社は2025年の売上を164億7000万ドルと予測していますが、その大部分はインテル自身によるものであり、外部の受託製造からの売上がどこまで伸びるかは不透明です。

また、シノプシス(SNPS)のCEOであるSassine Ghazi氏は、インタビューで「インテル18Aプロセスは、TSMCの最先端プロセスとその前世代プロセスの中間レベルにある」と述べています。これは、インテルの技術がまだTSMCの最新プロセスには及ばないことを示唆しており、今後の改善が求められるところです。

まとめ

ロイターの報道によると、エヌビディアブロードコムインテル18Aプロセスをテストしていることが明らかになり、インテルの受託製造事業にとって重要な局面を迎えています。しかし、知的財産の認定遅れ生産スケジュールの延期など、いくつかの課題も抱えています。

インテル18Aプロセスが本格的に市場に投入されることで、米国内での最先端半導体製造の可能性が広がるかどうか、今後の展開に注目が集まります。

*過去記事「インテル分割で半導体業界に激震!ブロードコムのx86事業買収は実現するのか?

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