ロケット・ラブ(RKLB)が第4四半期の決算を発表しました。売上は予想とほぼ一致しましたが、新型ロケット「ニュートロン」の打ち上げ延期が市場の期待を裏切る形となりました。決算発表後に株価は一時大きく下落しましたが、最終的にはプラス圏で取引を終えています。
第4四半期の業績は予想とほぼ一致
ロケット・ラブの第4四半期の売上は1億3,240万ドルで、ウォール街の予想である1億3,000万ドルをわずかに上回りました。一株当たりの損失は10セントで、こちらも市場予想の9セントの損失に近い水準でした。
年間売上は4億3,600万ドルに達し、前年から78%の成長を記録しました。2024年には10機のロケットを打ち上げましたが、2025年はそれを上回る16機の打ち上げを達成しました。業績自体は堅調であるものの、市場の期待が高かったため、決算内容が物足りなく感じられた投資家もいたようです。
2025年第1四半期のガイダンスはやや慎重な見通し
ロケット・ラブは2025年第1四半期の売上を約1億2,000万ドル、利払い・税引き・減価償却・償却前利益(EBITDA)の損失を約3,400万ドルと予想しています。市場予想は売上1億3,000万ドル、損失3,000万ドルだったため、ガイダンスはやや弱気な印象を与えました。
決算発表後、ロケット・ラブの株価は一時15%以上下落しましたが、その後持ち直し、最終的には3.3%上昇の20.49ドルで2月28日の取引を終えています。
大型ロケット「ニュートロン」の遅延が影響
ロケット・ラブの今後の成長のカギを握るのは、大型ロケット「ニュートロン」の開発です。現在、同社は小型ロケット「エレクトロン」を運用しており、約300キログラムのペイロードを宇宙へ輸送できます。一方、「ニュートロン」は最大1万3,000キログラムのペイロードを運ぶ能力を持つ計画です。
しかし、「ニュートロン」の初打ち上げは2025年後半に延期されました。シュティフェルのアナリストであるエリック・ラスムッセン氏は、テストが進むにつれ、さらに遅れる可能性があると指摘しています。宇宙開発に遅延はつきものですが、この延期が投資家心理に影響を与えたのは間違いありません。
アナリストの評価と目標株価の引き下げ
ラスムッセン氏は、ロケット・ラブの決算を「堅調」と評価しつつも、「ニュートロン」の遅延と慎重なガイダンスを考慮し、目標株価を31ドルから27ドルに引き下げました。
また、別のアナリストも「買い」の評価を維持しましたが、目標株価を35ドルから33ドルに引き下げました。市場全体としては、ロケット・ラブの成長ポテンシャルに期待を持ち続けているものの、短期的なリスクを警戒する姿勢も見られます。
今後の株価見通し
宇宙開発事業は長期的な視点での投資が求められる分野です。ロケット・ラブの株価は過去1年で351%上昇しており、高い期待が株価に織り込まれていました。そのため、今回の決算発表とガイダンスが市場の期待に完全に応えられなかったことが、一時的な株価の下落を招いたと考えられます。
とはいえ、ウォール街のアナリストの57%が依然としてロケット・ラブの株を「買い」と評価しており、これはS&P500の平均よりも高い水準です。アナリストの平均目標株価は約25ドルとなっており、現在の株価水準から22%の上昇余地があると見られています。
まとめ
ロケット・ラブの第4四半期決算は、市場予想とほぼ一致する内容でしたが、「ニュートロン」の遅延や慎重なガイダンスが投資家心理に影響を与えました。株価は一時大きく下落しましたが、最終的にはプラス圏で取引を終えています。
宇宙開発は技術的なハードルが高く、計画通りに進まないことも多い業界です。しかし、ロケット・ラブは今後も成長が期待される企業の一つであり、長期的な視点での投資を検討する価値があるかもしれません。