エヌビディアの自動車事業が急成長中!今後の展望とは?

エヌビディア(NVDA)は、AIと半導体技術のリーダーとして広く知られていますが、その事業の中で最も注目を集めるのは、やはり最新のブラックウェル・チップです。しかし、同社の自動車事業も着実に成長を遂げており、今後の展開が非常に期待されています。

エヌビディアの自動車事業は急成長中

エヌビディアの2025年1月期決算によると、同四半期の自動車事業の売上は5億7000万ドルとなり、前四半期比27%増、前年同期比103%増という大幅な成長を記録しました。通年の売上も前年から55%増加し、17億ドルに達しています。

さらに、同社の最高財務責任者(CFO)であるコレット・クレス氏は、2025年度の自動車事業の売上が約50億ドルに達する見込みであると述べています。この成長スピードを考慮すると、エヌビディアの自動車部門は今後さらに大きな市場規模を持つ可能性があります。

自動運転分野におけるエヌビディアの戦略

エヌビディアは長年にわたり自動運転技術に投資してきましたが、ここ数年で特にその影響力を強めています。特に2025年1月にラスベガスで開催されたCESでは、この分野におけるエヌビディアの取り組みが強調されました。

エヌビディアのCEOであるジェンスン・フアン氏は、CESでのインタビューにおいて、「自動運転車を作るには、大量のデータとビデオデータの学習が必要だ」と述べました。同社のグラフィックチップは、ゲーム用途だけでなく、自動運転車を訓練するためのシミュレーションにも活用できる点が強みとなっています。

また、フアン氏は、「自動運転車ビジネスはすでに50億ドル規模に達しているが、将来的には年間1億台の新車が販売され、年間走行距離が1兆マイルに達する。その結果、世界最大級のロボット産業、そしてコンピューティング産業へと成長する」と予測しています。

主要パートナーとの連携強化

エヌビディアは、世界の大手自動車メーカーやサプライヤーと提携し、次世代自動運転技術の開発を進めています。2025年のCESでは、以下のようなパートナーシップが発表されました。

  • トヨタ自動車
    エヌビディアの「DRIVE AGX Orin」チップと「DriveOS」オペレーティングシステムを採用し、次世代自動車に高度な運転支援機能を搭載。
  • コンチネンタルとオーロラ(AUR)
    両社はエヌビディアの「DRIVE」ハードウェアと「DriveOS」ソフトウェアを活用し、2027年から自動運転トラックを導入予定。
  • ヒュンダイ・モーター・グループ
    AV(自動運転)やロボット工学の開発、スマートファクトリーの推進にエヌビディアの技術を活用。

エヌビディアのチップはすでにメルセデス・ベンツ、ボルボ、中国の比亜迪(BYD)、フォックスコンなどの自動運転技術にも採用されており、さらなる市場拡大が見込まれています。また、同社のチップはテスラ(TSLA)のスーパーコンピューターにも搭載されています。

AIと自動運転技術の融合がもたらす未来

エヌビディアは、自律走行技術とスーパーコンピューティングの融合を「フィジカルAI(具現化AI)」と呼び、AIが現実世界と相互作用する新しい産業の創出を目指しています。

モルガン・スタンレーのアナリストであるアダム・ジョナス氏は、「具現化AIに対する投資家の関心は、近年の生成AIやスーパーコンピューティングの進歩によって急速に高まっている」と述べています。今後、エヌビディアのハードウェアとソフトウェアを搭載した自動運転車が世界中で普及し、AI技術の新たなステージへと移行することが期待されています。

まとめ

エヌビディアの自動車事業は急速に成長しており、2025年度には売上が50億ドル規模に達する見込みです。トヨタをはじめとする大手自動車メーカーとの提携が進み、同社の技術はますます広がりを見せています。自律走行車の市場が拡大するにつれ、エヌビディアの存在感もさらに強まることが予想されます。

AI技術と自動運転の進化が、今後どのような変革をもたらすのか。エヌビディアの動向に引き続き要注目です。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

最新情報をチェックしよう!