サウンドハウンドAI(SOUN)は2月27日に発表した最新の四半期決算で売上を倍増させ、投資家の注目を集めています。同社は、音声認識AIのリーダーとして成長を続けており、大手のクイックサービス・レストラン(QSR)との提携を強化しています。さらに、エヌビディアが同社の株式を売却したことで、一時的に株価が急落しましたが、その後の決算発表を受けて株価は反発しました。
サウンドハウンドAIの最新決算
サウンドハウンドAIの2024年10月〜12月期(会計年度第4四半期)の売上は3,450万ドルとなり、市場予想の3,370万ドルを上回りました。これは前年比で101%の成長に相当し、第3四半期の89%成長からさらに加速しています。
同社は引き続き赤字ではあるものの、成長に向けた戦略的投資を継続しています。最新の四半期では1,900万ドルの損失を計上しましたが、2025年通期の売上見通しは1億5,700万ドル〜1億7,700万ドルと堅調な成長が期待されています。
エヌビディアとの関係と影響
2月14日、エヌビディアが米証券取引委員会(SEC)に提出した13-F報告書によって、サウンドハウンドAIの株式を売却したことが明らかになりました。この発表を受けて、同社の株価は一時28%急落しました。
しかし、サウンドハウンドAIの経営陣は、エヌビディアとの関係が引き続き良好であることを強調しています。同社は、来月開催されるエヌビディアのGTCカンファレンスで音声アシスタント技術を披露する予定です。
サウンドハウンドAIの成長戦略と市場拡大
サウンドハウンドAIは、音声ベースのAIサービスを提供し、多くの有名ブランドと提携を結んでいます。特に、大手クイックサービス・レストラン業界では、バーガーキングUKやピーツ・コーヒーとの取引を通じて事業を拡大しています。
また、同社はCES 2024で発表した車載音声アシスタントにも強い期待を寄せています。この技術を活用することで、車載インフォテインメントシステムから直接食事を注文することが可能となります。これにより、新たな収益源を確保し、自動車メーカーとのパートナーシップを強化する方針です。
AI技術の進化とエッジデバイスへの展開
サウンドハウンドAIは、AIモデルの進化による恩恵を受けることを見込んでいます。特に、一部の技術をオープンソース化し、クラウド経由ではなくエッジデバイス(端末本体)に導入する戦略を進めています。この取り組みにより、AIの応答速度を向上させ、コスト削減を実現する狙いがあります。
株価の動向と今後の見通し
サウンドハウンドAIの株価は、1月に約27%下落し、2月も月間で35%の下落を記録していました。しかし、最新の決算発表を受けて、27日のアフターマーケットでは9%上昇しました。
AI市場全体の成長が続く中、サウンドハウンドAIの音声認識技術への需要も拡大することが予想されます。同社の今後の戦略と市場の動向に注目が集まります。