バークシャー・ハサウェイの株価は、第4四半期の好決算を受けて過去最高水準に上昇しました。ウォール街のアナリスト2名が目標株価を引き上げたことで、投資家の期待感が高まり、クラスA株(BRK.A)は4%上昇の747,485ドル、クラスB株(BRK.B)は4.1%高の498.42ドルで取引を終えました。
クラスA株は年初来で10%の上昇を記録し、S&P500種株価指数(SPX)が1.7%の上昇にとどまる中、大きくアウトパフォームしています。バークシャー・ハサウェイはS&P500の中でも最大のバリュー株の一つとして位置付けられています。
第4四半期の好調な業績
バークシャー・ハサウェイは、第4四半期の税引き後営業利益が前年同期比71%増の145億ドルとなり、過去最高を記録したと発表しました。クラスA株1株当たりの利益は約10,100ドルで、アナリスト予想を40%上回る結果となりました。
一時的な為替差益を調整した場合でも、営業利益は40%以上増加し、133億ドルに達しました。成長の主な要因は、バークシャー・ハサウェイの保険事業の好調であり、特にグループ傘下のガイコ(GEICO)が業績を牽引しました。
ガイコの成長が業績を押し上げる
UBSのアナリスト、ブライアン・メレディス氏は「ガイコは、保有契約件数が前四半期比で大きく伸び、引受利益率も引き続き高い水準を維持しており、成長の転換点を迎えている」と指摘しました。
ガイコの保険引受利益率は期中および通年で約19%となり、目標値である約5%を大幅に上回っています。これにより、バークシャー・ハサウェイ全体の収益が押し上げられました。
アナリストによる目標株価の引き上げ
メレディス氏は、バークシャー・ハサウェイのクラスA株の目標株価を803,444ドルから836,135ドルに引き上げました。また、2025年の1株当たり利益の予想を30,297ドルから31,565ドルに上方修正しました。現在の株価は、この予想の約23倍の水準で取引されています。
一方、KBWのアナリスト、マイヤー・シールズ氏もクラスA株の目標株価を750,000ドルから775,000ドルに引き上げました。さらに、2025年の1株当たり利益の予想を30,140ドルから31,600ドルに修正し、業績の堅調な成長を見込んでいます。
株価評価と市場の見方
シールズ氏は「バークシャー・ハサウェイのクラスA株は現在、2026年の予想1株当たり利益の22.0倍、2024年第4四半期の1株当たり簿価(BVPS)の159%で取引されており、特にマクロ経済の不透明感や経営継承リスクを考慮すると、業績見通しが株価に反映されている」とコメントしました。
ウォーレン・バフェットCEO(94)は、株主宛書簡の中で「グレッグ・エイベル氏が私の後任としてCEOに就任する日も遠くない」と述べました。エイベル氏は62歳で、バークシャー・ハサウェイの中核幹部として長年活躍しています。
バークシャー・ハサウェイの本源的価値
バークシャー・ハサウェイの株価は、簿価ベースで近年と比較して高い評価を受けています。2024年12月31日時点の簿価の1.6倍(クラスA株1株あたり約45万2,000ドル)を超える価格で取引されており、過去のレンジである1.4~1.5倍を上回る水準です。
メレディス氏は、本源的価値をクラスA株1株あたり約71万ドルと見積もっており、2018年以降の平均ディスカウント率18%に対し、現在の価格は3%低い水準となっています。
バフェット氏は、本源的価値がバークシャー・ハサウェイの重要な評価指標であるとしていますが、その推定値を公表することはありません。
まとめ
バークシャー・ハサウェイの株価は、第4四半期の好決算を背景に上昇し、アナリストによる目標株価の引き上げも市場の期待を高めています。特に、保険事業の好調が業績を大きく押し上げており、ガイコの引受利益率の向上が顕著です。
今後も、バフェット氏の後継問題やマクロ経済の影響を注視しつつ、バークシャー・ハサウェイの株価動向を見守ることが重要になりそうです。