セルシウスの株価が急騰!アラニ・ヌ買収で成長の可能性が再燃

  • 2025年2月21日
  • 2025年2月21日
  • BS余話

セルシウス・ホールディングス(CELH)の株価が、ウォール街の予想を上回る四半期業績と売上高を発表し、さらに成長を加速させる可能性のある買収案件を発表したことを受け、2月20日のアフターマーケットで35%急騰しました。

第4四半期の売上と利益が市場予想を上回る

エナジードリンク・メーカーであるセルシウス・ホールディングスの2024年第4四半期の売上は3億3,220万ドル、1株当たり利益は14セントとなりました。ファクトセット調べのアナリストの予想は、それぞれ3億2,800万ドルと11セントだったため、売上・利益ともに市場予想を上回る結果となりました。

この決算発表は、セルシウスが競合エナジードリンクブランドのアラニ・ヌを買収すると発表した直後に行われました。アラニ・ヌは、ソーシャルメディアのインフルエンサーによって成長したブランドであり、18億ドルの現金と株式の組み合わせで買収されることが決まりました。

成長戦略としてのアラニ・ヌ買収

セルシウス・ホールディングスの最高経営責任者(CEO)であるジョン・フィールドリー氏は、「当社は、持続的かつ長期的な成長を推進するための適切な戦略を有していると確信しており、アラニ・ヌの買収により、さらなる成長の機会を得ることができる」と述べました。

また、最高財務責任者(CFO)のジャロッド・ランガンス氏は、「この買収は説得力のある戦略的根拠と強力な財務的利益をもたらす」とし、「当社の資本配分戦略は、高成長のリーダーとなり、消費者と株主に最大の価値を提供するというビジョンに完全に合致している」と述べました。

今回の買収は、セルシウス・ホールディングスの成長の可能性に対する投資家の信頼を回復する狙いもあると考えられています。

株価低迷からの回復へ

セルシウス・ホールディングスの株価は過去数年間で急速に上昇し、市場シェアを拡大してきました。しかし、2024年5月以降はブランド拡大計画の遅れが響き、株価が低迷する展開となっていました。さらに、米国での主要販売代理店であるペプシコ(PEP)が在庫調整のために注文を減らしたことも、同社の業績に打撃を与えました。

9月に終了した3カ月間の業績では、総売上が前年同期比30%減少し、1株当たり利益は前年同期の30セントから、かろうじて収支均衡となる状況でした。この結果を受け、投資家の間では個人消費の低迷がエナジードリンク市場全体に影響を及ぼすのではないかとの懸念が広がっていました。

エナジードリンク市場の競争が激化

エナジードリンク市場では、レッドブルやモンスター・ビバレッジのようなブランドが、失った市場シェアを取り戻そうとしています。また、キューリグ・ドクター・ペッパー(KDP)やモルソン・クアーズ(TAP)といった大手飲料メーカーも、エナジードリンクブランドへの投資を強化しています。

こうした競争環境の中、若い女性を中心に支持を集めるアラニ・ヌは、市場シェアを伸ばし続けています。セルシウス・ホールディングスの成長が鈍化する中で、今回の買収によって急成長中のブランドを自社のポートフォリオに加えることができます。

投資家が注目する今後の展開

セルシウス・ホールディングスの株価は、20日の決算報告の発表を前に19日にはすでに約15%上昇していました。同社が21日に開催されるニューヨーク消費者アナリスト・グループ会議に参加し、幹部がプレゼンテーションを行うことが発表されたことも、株価上昇の要因となったようです。市場関係者は、良いニュースが発表されるのではないかと期待していました。

投資家は、20日の決算発表や21日のアナリスト会議での経営陣の発言に注目しています。特に、2025年の見通しやアラニ・ヌの統合計画についての詳細がどのように説明されるかが焦点となりそうです。

まとめ

セルシウス・ホールディングスは、四半期決算で市場予想を上回る結果を出し、アラニ・ヌの買収を発表したことで、株価が大きく上昇しました。エナジードリンク市場の競争が激化する中で、この買収が同社の成長戦略にどのように貢献するのか、今後の展開が注目されています。

*過去記事「バロンズが注目!セルシウス・ホールディングスの成長戦略と投資のチャンス

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