パランティアの株価は調整必至?投資家が今知っておくべきポイント

パランティア・テクノロジーズ(PLTR)は、2025年初めに発表した第4四半期決算でウォール街の予想を上回る結果を出し、株価が急上昇しました。2024年1月以降のトータルリターンは585%に達し、S&P500種株価指数の中で最も好調な銘柄となっています。しかし、現在の評価額は極めて高く、今後の株価については慎重な見方も出ています。

投資情報メディア「モトリーフール」は、このパランティアの株価急騰とバリュエーションの高さについて「Palantir Stock Is Up 585% Since Early 2024. History Is Clear About What Happens Next.」という2月15日付けの記事で詳しく分析しています。本記事では、モトリーフールの記事を紹介しながら、パランティアの今後の展望について考えていきます。

パランティアのバリュエーションは過去10年で最も高い水準に

モトリーフールの記事によると、パランティアの将来株価収益率(PSレシオ)は現在56倍に達しており、過去10年間で最も割高なソフトウェア株のひとつとなっています。ジェフリーズのアナリスト、ブレント・ティル氏も、CNBCのインタビューでこの点に言及し、異常に高い評価額であると指摘しています。

モトリーフールの調査では、過去10年間に50以上のソフトウェア企業を分析した結果、以下の事実が明らかになったと述べています。

  • パランティアを除き、フォワードPSレシオが40を超えたソフトウェア企業は5社のみ(アサナ、コンフルエント、スノーフレーク、ユイパス、ユニティ・ソフトウェア)
  • フォワードPSレシオが50を超えたのはスノーフレークのみ。ピークは2021年11月で、売上高フォワード倍率は60倍近くに達した
  • これらの5銘柄は、バリュエーションがピークに達した後、12カ月以内に50%以上株価が下落
  • 最大下落率は70%を超え、現在も過去最高値から50%以上下落している

2025年2月時点で、パランティアのフォワードPS倍率は56倍となっており、これはスノーフレーク(SNOW)のピーク時と同等レベルです。しかし、スノーフレークが当時100%以上の売上高成長率を記録していたのに対し、パランティアの2024年の売上高成長率は29%、2025年も32%と、比較的低い水準にとどまっています。

パランティアの株価は今後どうなる?モトリーフールの見解

モトリーフールの記事では、パランティアのバリュエーションが今後低下する可能性が高いと述べています。その理由として、以下の3つのシナリオを挙げています。

  1. ウォール街のアナリストが売上高予測を大幅に引き上げる
  2. パランティアの株価が急落する
  3. 売上高予測の上方修正と株価の下落が同時に起こる

過去のデータを基にすると、パランティアの現在の水準を維持するのは難しく、株価調整の可能性が高いとの見方が示されています。

パランティアは有望な企業だが、今はリスクが高い

モトリーフールは、パランティアの技術的優位性や市場でのポジションについても言及しています。インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)は、パランティアを意思決定インテリジェンス・ソフトウェア市場のリーダーと評価しており、フォレスター・リサーチも、同社のAIプラットフォームをテクノロジーリーダーと位置づけています。

また、IDCはAIプラットフォーム市場が2028年までに年率40%で成長すると予測しており、パランティアの成長余地は大きいと考えられます。

しかし、モトリーフールは「どんなに優れた企業であっても、適切な価格で投資することが重要」と述べ、現在のバリュエーションでは投資リスクが高いと指摘しています。既存の株主はポートフォリオのバランスを見直し、一部売却を検討することを推奨しています。また、新規投資を検討している人には、より良いエントリーポイントを待つようアドバイスしています。

まとめ:パランティア株は今後調整の可能性が高い

モトリーフールの記事では、パランティアの今後の展望について、長期的には有望だが、短期的には株価の調整リスクが高いと結論づけています。

例えば、スノーフレークは過去最高値から52%下落しているものの、最安値からは77%上昇しています。このように、一度調整した後に新たな投資チャンスが訪れる可能性があります。パランティアも、現在のバリュエーションが高すぎることを考えると、適切なエントリーポイントを待つことが賢明だとしています。

今回紹介したモトリーフールの記事は、パランティアの現状を冷静に分析し、投資家にとって重要な示唆を与えています。短期的な株価上昇に飛びつくのではなく、しっかりとバリュエーションを見極めることが求められます。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

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