旅行業界のアマゾンを目指すエアビーアンドビーの株価が急騰!

米国の短期レンタル大手エアビーアンドビー(ABNB)の株価が、第4四半期の決算発表を受けて2月14日の米国市場で急上昇しました。売上成長が加速する中で、一部の投資家は同社の将来戦略に期待を寄せています。

株価が急騰、売上成長が加速

エアビーアンドビーの株価は、14日の米国市場の午前11時30分現在で、14.74%高の161.83ドルで取引されています。

これは、同社の売上成長が加速したことが大きな要因と考えられます。第4四半期の売上は前年同期比12%増の25億ドルで、プラットフォームを通じて予約された宿泊と体験の数も12%増の1億1100万に達しました。また、予約総額(プラットフォーム上で処理された支払総額)は13%増の176億ドルとなり、順調な成長を示しています。

期待外れだったガイダンスと新規事業への投資

第1四半期の売上ガイダンスは22.3億ドル〜22.7億ドルとされており、市場予想の22.8億ドルをわずかに下回りました。このため、一部の投資家は慎重な見方をしています。

しかし、エアビーアンドビーは投資家に対して、5月に新規事業を立ち上げ、最大2億5000万ドルを投資する計画を明らかにしました。同社は「Airbnbアプリをアマゾン・ドット・コム(AMZN)のような存在にしたい」と述べており、旅行分野においてより包括的なプラットフォームを目指す方針です。

ブライアン・チェスキーCEOは決算説明会で、「エアビーアンドビーは旅行と密接に関連した事業からスタートし、今後5年間で毎年1つか2つの新規事業を立ち上げる予定」と語りました。さらに、これらの事業のスケールには3年から5年かかる見込みであり、一部の事業は年間売上10億ドル規模に成長する可能性があるとしています。

長期的な成長の可能性と投資家の評価

エアビーアンドビーのアプリは毎年16億台のデバイスで使用されているものの、CEOは「使用頻度はそれほど高くない」と指摘しました。今後の目標として、「週に1〜2回利用されるアプリ」に成長させることを挙げており、これが事業拡大の鍵となると考えられます。

ウォール街のアナリストの評価は慎重です。シーポートのアナリスト、アーロン・ケスラー氏は「新規事業は2025年の利益率を圧迫する可能性があるが、長期的な成長の加速につながるだろう」と述べています。同氏はファンダメンタルズに肯定的な見方を示しながらも、現在の株価水準は適正であると判断し、「中立」の格付けを維持しました。

また、キーバンクのアナリスト、ジャスティン・パターソン氏も「ここからは実行が重要であり、新規事業の詳細を確認したい」とコメントしており、新たな取り組みがどのように展開されるかが、今後の株価のカギを握ることになりそうです。

今後の展望

エアビーアンドビーは短期レンタル市場のリーダーとしての地位を確立しつつ、新たな収益源の確保にも取り組んでいます。旅行業界全体の回復が進む中で、同社がどのように新規事業を成長させるかが注目されます。

現在の株価上昇は、第4四半期の決算が好調だったことに加え、新規事業への期待感も背景にあります。一方で、2025年以降の利益率への影響を考慮すると、株価の変動には注意が必要です。

*過去記事はこちら エアビーアンドビー ABNB

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