AI関連株で大胆な投資判断!韓国の国民年金が選んだ米国株とは?

韓国の国民年金(NPS)は、米国株の保有比率を大きく変更しました。最新の証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、新たにスーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)のポジションを開始し、その一方でパランティア・テクノロジーズ(PLTR)チポトレ・メキシカン・グリル(CMG)の保有株数を減らし、ターゲット(TGT)を増やしました。

NPSは韓国の全州に本部を置き、7,200億ドルの資産を運用しています。

スーパーマイクロの株価の乱高下

スーパーマイクロは、ハイテク企業の中でも特にボラティリティ(価格変動)が大きい銘柄の一つです。2024年は7.2%の上昇で年を終えましたが、S&P500指数(SPX)が23%上昇したことと比較すると、控えめな成績でした。しかし、2025年に入り19%の上昇を記録しています。

スーパーマイクロの株価は、2024年3月にS&P500種株価指数に採用されたことで急騰しました。人工知能(AI)とデータセンター市場の成長が投資家の関心を集めたためです。しかし、その後の数カ月で急落しました。3月には122.90ドルまで上昇し、年初来で300%以上の伸びを見せましたが、11月には17.25ドルまで暴落し、年間では約40%の損失となりました。

8月には、空売りを行うヒンデンブルグ・リサーチが同社に関する否定的なレポートを発表しました。会計上の問題や未公開の関連取引、輸出管理の不備、顧客問題を指摘し、これが株価の急落を引き起こしました。同社は「噂や憶測」にはコメントしないと発表しましたが、株価の下落は続きました。

9月には、ナスダックから決算報告の遅れを理由に、上場継続のコンプライアンス違反を指摘されました。また、10月には監査役であるアーンスト・アンド・ヤングが辞任しました。しかし、11月にはナスダック上場継続計画を提出し、事態は改善。さらに、ヒンデンブルグ・リサーチは2025年1月に閉鎖されました。

NPSは第4四半期にスーパーマイクロの株式を949,220株購入しました。9月末時点では保有していなかったため、大口の新規投資となります。

*過去記事はこちら  スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI

パランティア・テクノロジーズの株価動向

パランティア・テクノロジーズは、2024年に大きな成功を収めました。9月にS&P500種株価指数に採用され、12月にはナスダック証券取引所へ移行し、ナスダック100種株価指数にも組み入れられました。これにより、S&P500およびナスダック100に連動するファンドがパランティア株を購入し、保有比率を調整しました。

さらに、2月に発表された好決算が株価を押し上げ、2024年の株価は78%上昇。2025年も今のところ47%の上昇を記録しています。

NPSは第4四半期に190万株のパランティア株を売却し、保有株数を490万株に減らしました。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

チポトレ・メキシカン・グリルの売却と業績

チポトレの株価は2024年に32%上昇しましたが、2025年に入ると5%下落しています。同社は2024年8月にブライアン・ニコルCEOが辞任しました。さらに、2025年2月に発表された第4四半期決算では、業績は予想を上回ったものの、売上は目標に届きませんでした。その結果、今年の既存店売上高のガイダンスを引き下げました。

NPSは第4四半期に60万9,580株のチポトレ株を売却し、保有株数を300万株に減らしました。

ターゲットの株価低迷と投資調整

ターゲットの株価は2024年に5%下落し、2025年に入っても2.8%の下落を続けています。2024年11月に発表された第3四半期決算が市場予想を下回ったことが影響しました。株価は22%急落し、121.72ドルまで下がりました。

また、港湾ストライキに備えた在庫調整や、裁量消費の減退が売上に悪影響を及ぼしました。しかし、2025年1月に発表されたホリデー商戦の結果は改善傾向を示しています。

NPSは第4四半期に48万8,350株のターゲット株を購入し、保有株数を150万株に増やしました。

まとめ

韓国の国民年金(NPS)は、米国株のポートフォリオを大幅に変更し、スーパー・マイクロ・コンピュータのポジションを開始し、パランティア・テクノロジーズ、チポトレ・メキシカン・グリル、ターゲットのポジションを調整しました。

NPSのポートフォリオの変更は、今後の市場動向を占う上で重要なポイントとなります。特に、AI関連銘柄や消費関連株の動向に注目が集まりそうです。

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