クラウドフレア(NET)の株価が2月7日の米国市場で急騰しました。同社が発表した第4四半期決算が市場予想を上回ったことを受け、午前10時30分過ぎの段階で株価は前日比16.14%上昇し、164.36ドルとなりました。
投資家にとって注目すべきは、クラウドフレアの決算内容だけでなく、同社の最高経営責任者(CEO)であるマシュー・プリンス氏が語った市場のトレンドについての見解です。
AI市場の変化とディープシークの台頭
プリンスCEOは、決算発表後のアナリストとの電話会議で、中国の新興企業ディープシークの急速な台頭について言及しました。ディープシークの新しい人工知能(AI)モデルは低コストで開発されているように見えますが、これがAI市場全体の支出に影響を与えるのではないかとの懸念を引き起こしました。
プリンス氏は「AIで勝つ唯一の方法は数千億ドル、あるいは数兆ドルを費やすことだという考えは、ディープシークの登場によって揺らいでいる」と述べました。また、同氏は19世紀の経済学の概念であるジェボンズのパラドックスに言及し、「より安価なAIが長期的に需要を押し上げる可能性がある」との見方を示しました。
クラウドフレアは、グローバル・ネットワーク上に分散されたグラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)を活用することで、企業がより低コストでAIアプリケーションを開発できるように取り組んでいます。この取り組みが、今後のAI市場における競争を左右する要素となる可能性があります。
クラウドフレアの第4四半期決算
クラウドフレアの第4四半期の売上は4億5,990万ドルで、1株当たり19セントの調整後純利益を記録しました。市場調査会社ファクトセットが集計したアナリスト予想では、売上は4億5,210万ドル、純利益は1株当たり18セントとされており、クラウドフレアはこれを上回る結果となりました。
まとめ
クラウドフレアの第4四半期決算は市場予想を上回り、株価は大きく上昇しました。同社のCEOであるマシュー・プリンス氏は、AI市場におけるディープシークの影響についてコメントし、低コストAIが今後の需要を押し上げる可能性について言及しました。
今後、AI市場の競争や貿易政策の変化が、サイバーセキュリティ企業の業績にどのような影響を与えるのか、引き続き注目されます。