パランティア株が急騰!長年の弱気派モルガン・スタンレーが格上げした理由とは?

モルガン・スタンレーは、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)が「売り」推奨の銘柄ではないことをついに認めました。しかし、アナリストの評価は「買い」にまでは至っていません。

サンジット・シン氏率いるアナリストチームは、同社の2024年第4四半期決算と2025年の見通しを受け、パランティアのレーティングを「アンダーウェイト(売り)」から「イコールウェイト(中立)」へと引き上げました。また、目標株価を60ドルから95ドルへと大幅に引き上げました。

パランティアの株価は2月4日の米国市場の開始まもなく106ドル近くで取引されており、前日比で26%近く急騰しました。2024年初頭にはわずか16ドルだった同社の株価は過去1年間で急上昇しており、上昇率が384%に達しています。

AIブームがパランティアの成長を加速

パランティアの売上成長率は、第3四半期の30%から第4四半期には36%へと加速しました。また、いくつかの主要業績指標も改善しています。同社は2025年の通期売上成長率を31%と予測しており、市場のコンセンサス予想である20%台半ばを大きく上回りました。

アナリストは、「ソフトウェア業界における成長投資の基本原則の一つは、バリュエーションを考慮する前に、まずビジネスが好調かどうかを評価することです。パランティアのビジネスは改善しており、その成長が今後どの程度続くかを見極める必要があります」と述べています。

政府事業が引き続き成長をけん引

パランティアの経営陣は、政府関連事業が2025年も好調に推移するとの見通しを示しています。同社は、政府の効率化を目的としたイニシアチブの最終的な恩恵を受ける立場にあることを証明しました。これにより、長期的な成長が期待されています。

しかし、バリュエーション面では依然として懸念が残ります。パランティアの2026年の予想売上倍率は52倍、フリーキャッシュフロー倍率は120倍とされており、割高な水準にあります。

アナリストの評価は依然として分かれる

市場データを提供するファクトセットによると、同社をカバーする22人のアナリストのうち19人がパランティアを「ホールド(中立)」または「売り」と評価しています。平均目標株価は79.63ドルとなっています。

RBCのアナリスト、リシ・ジャルリア氏は依然として「アンダーパフォーム(売り)」の評価を維持していますが、目標株価を11ドルから40ドルへと引き上げました。同氏は「政府部門と商業部門の業績は予想を上回りましたが、成長の持続性や製品の差別化には懸念が残ります」と述べています。

一方で、数少ない強気派の一人であるウェドブッシュのダン・アイブス氏は、目標株価を90ドルから120ドルに引き上げました。「パランティアの人工知能(AI)プラットフォームは他社にない競争優位性を持っており、AI革命を実用化のフェーズへと導いています。カープCEO率いるチームは、AI競争においてチェスをプレイしている一方で、他の企業はチェッカーをプレイしている状態です。AIの可能性を理解できていない弱気派は、次世代テクノロジーの波に乗り遅れています」と述べました。

今後の見通し

パランティアは、AI技術の成長を追い風に大きく成長しているものの、高いバリュエーションが懸念材料となっています。政府向け事業の好調さと商業部門の成長が続く限り、同社の売上拡大は期待できます。しかし、多くのアナリストは慎重な見方を崩していません。

投資家にとっては、同社の成長戦略やAI技術の優位性を評価しつつ、バリュエーションの高さや市場の見通しを考慮した投資判断が求められます。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

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