ビザの第4四半期決算:売上高が10%増加、個人消費は堅調

  • 2025年1月31日
  • 2025年1月31日
  • BS余話

米国の大手決済ネットワーク企業であるビザ(V)は1月30日、2024年第4四半期(10月~12月)の決算を発表しました。この期間の純利益は51億ドルとなり、前年同期比で5%増加しました。一部でインフレが続いているものの、個人消費は堅調を維持していることが確認されました。

1株当たり利益は市場予想を下回る

ビザの1株当たり利益は2.58ドルとなり、ファクトセットが調査したアナリストの予想である2.64ドルには届きませんでした。また、純利益もアナリスト予測の52.5億ドルをわずかに下回る結果となりました。

この発表後のアフターマーケットでビザの株価は1.16%上昇し347.03ドルで取引されています。過去1年間の株価上昇率は24%に達しており、S&P500種指数をわずかに上回るパフォーマンスとなっています。

売上高は市場予想を上回る

ビザの2024年第4四半期の売上高は前年同期比10%増の95億ドルとなりました。これは、ウォール街のアナリスト予想である93.4億ドルを上回る結果です。

また、ビザブランドのカードによるネットワーク全体の決済総額は前年から9%増加しました。ビザの最高経営責任者(CEO)であるライアン・マクイーニー氏は、「売上高はホリデーシーズンの健全な消費と、決済総額、国境を越えた決済総額、処理取引の成長における改善傾向を反映した」と述べています。

投資家心理はマスターカードよりビザに傾く傾向

ウォルフ・リサーチのアナリストであるダリン・ペラー氏は29日に、「最近の投資家の心理はライバル企業であるマスターカード(MA)よりもビザにやや傾いている」と顧客向けのレポートで述べました。その要因として、米国市場への高いエクスポージャー、来月開催される投資家向け説明会、そして最近のガイダンスが挙げられています。

しかし、ペラー氏は「両社とも最近の大型金融株へのローテーションの恩恵を受けている」と指摘しており、ビザとマスターカードの両銘柄を「アウトパフォーム」と評価しています。

マスターカードの決算発表も投資家心理に影響

ビザの決算発表前に、マスターカードも第4四半期の決算を発表しました。マスターカードの決算は利益と売上が市場予想を上回る好調な結果となり、株価は過去最高値を更新しました。これが投資家心理の改善につながった可能性があります。

まとめ

ビザの2024年第4四半期決算は、売上高が市場予想を上回る一方で、1株当たり利益は予想を下回る結果となりました。しかし、個人消費は堅調に推移しており、ホリデーシーズンの需要が業績を押し上げました。

*過去記事「金融テクノロジー株は次なるAI革命へ!生成AIが描く未来とは?

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