マイクロソフトの株価下落は買いのチャンスか?AI事業の成長に注目

マイクロソフト(MSFT)の株価は、最新の決算発表翌日の1月30日の米国市場で6.18%下落し、終値は414.99ドルとなりました。しかし、多くのアナリストはこの下落を一時的なものと見ており、今後の成長機会に期待を寄せています。特に、同社のクラウドコンピューティング事業「Azure」と人工知能(AI)関連の事業が、今後の業績を押し上げる要因になる可能性があると考えられています。

マイクロソフトの最新決算内容

マイクロソフトは29日に2025年度第2四半期(2024年10月~12月)の決算を発表しました。売上は市場予想を上回ったものの、一部の投資家にとっては期待外れの結果となり、株価は急落しました。特に、クラウド事業の成長鈍化が懸念材料となっています。

同社のクラウド事業「Azure」の売上成長率は前年同期比31%増でしたが、前四半期の33%増と比較すると減速しました。この成長鈍化により、一部の投資家が慎重な姿勢を取ることになりました。しかし、AI関連のサービスが急成長していることから、長期的な成長は期待できると指摘する声も多くあります。

AI事業の成長と市場の期待

マイクロソフトは、オープンAIとの提携によりAzureの利用が拡大しており、これがAI関連の商業予約75%増につながったと発表しました。最高経営責任者(CEO)のサティア・ナデラ氏は決算報告の電話会議で、「オープンAIとの提携に非常に満足している」と述べており、今後もこの成長が続くと期待されています。

また、マイクロソフトは「Copilot」と呼ばれるAIアシスタントを同社の製品に統合し、企業の業務効率向上を支援する計画を進めています。このようなAIソリューションの普及が進めば、同社の収益拡大につながる可能性が高いと予想されます。

アナリストの評価と目標株価

大手証券会社のアナリストは、マイクロソフトの将来性を高く評価しています。金融情報会社ファクトセットが行った調査によると、マイクロソフトをカバーする60人のアナリストのうち57人が「買い」と評価し、3人が「保留」としています。

  • メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・レイツェス氏:「マイクロソフトは引き続き成長を遂げると考えており、AI事業の評価は依然として過小評価されている」と指摘。目標株価は520ドルと予想。
  • BofA証券のブラッド・シルズ氏:「マイクロソフトはアプリケーションとインフラの両面でAIを活用し、新たなビジネスチャンスを生み出す独自の立場にある」とし、目標株価を510ドルに設定。

このように、多くのアナリストがマイクロソフトのAI事業に期待を寄せています。

マイクロソフト株の現在の評価

現在のマイクロソフトの株価は、今後12ヶ月間の予想利益の31.1倍で取引されています。これは過去5年間の平均である29.5倍を上回っており、割安とは言えない水準です。しかし、同社のAI関連事業が本格的に収益を生み出し始めることで、今後の株価上昇が期待できます。

まとめ:下落は買いのチャンスか?

マイクロソフトの最新決算は、一部の投資家にとって期待外れの結果となりましたが、同社のAI事業の成長には依然として大きな期待が寄せられています。短期的にはクラウド事業の成長鈍化が懸念されるものの、長期的な視点で見れば、AI技術の普及が同社の業績を押し上げる可能性が高いと考えられます。

現在の株価下落を一時的な調整と捉え、中長期的な成長を見込んで買いの好機とするのも一つの戦略と言えそうです。特に、AIを活用したサービスの拡大が進めば、マイクロソフトの株価は再び上昇する可能性があります。今後の同社の成長戦略やAI事業の進展に注目しながら、投資判断を行うことが重要です。

*過去記事はこちら マイクロソフト MSFT

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