アップルの成長鈍化?オッペンハイマーが格下げした理由とは

米国の証券会社オッペンハイマーは1月29日、アップル(AAPL)の投資判断を「アウトパフォーム」から「パフォーム」に格下げしました。さらに、目標株価として設定していた250ドルを撤回し、業績予想を下方修正しました。

アップルの株価は29日の午前の取引で0.9%下落し、236.02ドルとなりました。過去1年では28%上昇しているものの、今後の成長見通しには慎重な見方が示されています。

iPhoneの販売台数見通しの下方修正

オッペンハイマーのアナリストであるマーティン・ヤン氏とアンドリュー・ノースカット氏は、今後12カ月から18カ月のiPhone販売台数見通しを下方修正しました。この影響により、2025年度および2026年度の売上と1株当たり利益の予想を市場コンセンサスを下回る水準に引き下げました。

iPhoneの成長に影響を与える2つの要因

アナリストチームは、iPhoneの成長に対する2つの課題を指摘しています。

1. 中国市場での競争激化

中国では、現地メーカーのスマートフォンが市場シェアを拡大しており、アップルにとって厳しい競争環境が続いています。特に、華為技術(ファーウェイ)をはじめとする中国メーカーの端末が急成長しており、iPhoneの販売に影響を与えていると考えられます。

2. AI機能の魅力不足

iPhoneの短期的な買い替えを促進する要因として、人工知能(AI)を活用した革新的な機能が求められています。しかし、現在のところ、Apple IntelligenceなどのAI技術やアプリが十分に魅力的でないと判断されており、買い替え需要を刺激するには不十分とされています。

アップルのバリュエーションと株価の動向

オッペンハイマーは、現在のアップルのバリュエーション(株価の割高感)が高水準にあると分析しています。そのため、今後の株価がここから大きく上昇する可能性は低いと見ています。これは、iPhoneの販売が予想を下回っている現状に加え、成長を牽引する新たな要素が不足していることが影響しています。

第1四半期決算の発表に注目

アップルは30日に第1四半期決算を発表する予定です。この決算発表は、今後の株価の動向を占う重要なイベントとなります。投資家は、iPhoneの販売状況やアップルの成長戦略に注目し、今後の投資判断を行うことが求められます。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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