中国の新AI「ディープシーク」の登場で米国パイプライン銘柄に打撃、今が買い時?

  • 2025年1月29日
  • 2025年1月29日
  • BS余話

2025年1月、中国企業ディープシークが新たな人工知能(AI)モデルを開発したと発表し、米国のハイテク株やエネルギー関連銘柄に大きな影響を与えました。このAIモデルは、従来のエヌビディア(NVDA)の高性能チップに大きく依存せず、より低コストで電力効率が高いとされています。

この発表を受けて、特にエネルギー需要の恩恵を受けるとされていたパイプライン株が下落しました。グローバル X MLP & エネルギー・インフラETF(MLPX)は、4.4%下落し、キンダー・モルガン(KMI)は9.3%、ウィリアムズ(WMB)は8.4%の下落を記録しました。

過剰反応の可能性、長期的影響は限定的か?

CFRAのアナリスト、スチュワート・グリックマン氏は、この下落を「過剰反応」と指摘しています。AIデータセンターの建設が進行中であり、このニュースが2025年や2026年の業績に大きな影響を与える可能性は低いと見られています。

さらに、ディープシークの技術が短期的に電力需要を抑制する可能性があるとしても、AIの普及が進めば、結果的にエネルギー需要は増加すると考えられています。UBSのアナリスト、マナブ・グプタ氏も、「効率性の向上によりAI製品の価格が下がり、導入が加速する」と述べています。

トランプ政権の政策変更が追い風に?

AI関連ニュースの他に、天然ガスパイプライン株にとってポジティブな材料も出ています。連邦エネルギー規制委員会がバイデン政権時代の環境評価方針を見直し、プロジェクト推進の障壁を取り除いたことです。

シティグループのアナリスト、スピロ・ドゥーニス氏によると、この変更は天然ガスインフラプロジェクトの進行を加速させる可能性が高いとされています。特にキンダー・モルガンやウィリアムズといった企業が恩恵を受けると見られています。

魅力的な投資機会を提供する銘柄

キンダー・モルガンは、4.4%の配当利回りを持ち、2025年に予想される一株利益の21倍以下で取引されています。また、アナリストの予想によれば、2025年の売上成長率は15%に達する可能性があります。一方、ウィリアムズの配当利回りは3.5%で、2025年の売上成長率は9%と予測されています。

これらの銘柄は、新たなAIデータセンター建設によるエネルギー需要の増加から直接的な恩恵を受ける可能性が高いとされています。UBSの分析によれば、ディープシーク関連ニュースの影響が薄れ、市場が安定を取り戻した際に最も上昇する候補となり得ると考えられています。

まとめ

ディープシークのAI技術が市場に一時的な動揺を与えたものの、天然ガスパイプライン株には依然として明るい見通しがあります。特にキンダー・モルガンやウィリアムズのような企業は、AIの普及やエネルギー政策の追い風を背景に、今後の成長が期待されています。この下落を買いの好機と捉え、長期的な視点で投資を検討する価値があると考えられます。

*過去記事「AI革命が牽引するパイプライン株の急成長:投資家必見のトレンド

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