ドナルド・トランプ大統領が1月21日に発表したスターゲート構想は、エヌビディア（NVDA）の今後の成長を大きく左右する重要な要素と考えられています。22日の米国市場で同社の株価は大きく上昇しており、この構想の発表が投資家心理に与えた影響が注目されています。メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏は、この新たなイニシアチブがエヌビディアの将来の成長戦略を明確にする鍵を握っていると指摘しています。
ブラックウェルチップの拡大とスターゲート構想の関係性
エヌビディアは現在、最新のブラックウェルチップの生産を拡大しており、この動きが投資家からの大きな関心を集めています。一方で、新たに発表されたスターゲート構想は、今後4年間で5,000億ドル規模の人工知能（AI）インフラ投資を促進する可能性を秘めています。ライツェス氏は、この構想は「ブラックウェルチップの展望を確実なものにする」ものであり、長期的な成長の土台を築く役割を果たすと評価しています。
スターゲート構想の下では、1,000億ドル以上がエヌビディアに投資される可能性が高く、その恩恵は同社だけでなく、ブロードコム（AVGO）やアリスタネットワークス（ANET）といった企業にも波及すると予測されています。
スターゲート構想がもたらすエヌビディアへの影響
昨年末にブロードコムの経営陣が示したAI市場の成長予測が投資家にポジティブな影響を与えたように、スターゲート構想も同様の影響を及ぼす可能性があります。ライツェス氏は、この構想がエヌビディアに対して「次の四半期や2四半期の短期的な成果を超えた長期的な視点」を提供すると述べています。
また、2026年以降においても、エヌビディアは200億ドル〜400億ドルの追加売上を達成する潜在的なチャンスがあると分析されています。このような長期的な成長予測により、投資家の懸念が解消されることが期待されています。
トランプ大統領のAI政策とエヌビディアへの影響
今回のスターゲート構想は、ドナルド・トランプ大統領がOpenAIやソフトバンクグループ、オラクル（ORCL）といった企業との協力のもと発表されました。この発表は、AI産業に対する政府のサポートが今後も継続する可能性を示唆しており、エヌビディアにとって大きな追い風となる可能性があります。
ライツェス氏は、トランプ大統領がAI関連の規制を緩和する動きを示した場合、エヌビディアがさらなる成長を遂げる土台が整う可能性を示唆しています。同時に、仮に規制緩和が行われなくとも、同社は独自の成長能力を持っていると評価されています。
エヌビディアの株価の動向と今後の展望
エヌビディアの株価は1月21日の取引で2.3%上昇し、22日朝の取引ではさらに4%上昇しました。この動きは、スターゲート構想への期待感を反映したものと見られています。
ライツェス氏は、エヌビディアがアメリカ国内のAI関連売上をさらに拡大する可能性に触れ、同社の市場機会が投資家の予想を大きく上回る可能性を指摘しました。スターゲート構想の下で生じる追加支出の多くがエヌビディアに向けられることで、同社の成長率をさらに押し上げると見込まれています。
まとめ
エヌビディアにとって、スターゲート構想は単なる投資プロジェクトを超え、長期的な成長の基盤となる可能性を秘めています。同構想がもたらす膨大なAIインフラ投資とその波及効果は、エヌビディアの株価と市場価値をさらに高める要因として期待されています。短期的な成果にとらわれず、同社の将来の可能性に目を向ける投資家にとって、この構想は重要な転換点となりそうです。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA