ドナルド・トランプ新大統領が1月21日、人工知能(AI)を米国の国家的な優先課題とするシグナルを市場に発信したことで、エヌビディア(NVDA)の株価が大きく上昇しました。これにより、AI関連銘柄への投資家の注目が再び高まっています。
エヌビディアCEOの不在が目立った大統領就任式
21日に行われたトランプ大統領の大統領就任式には、メタ・プラットフォームズ(META)のマーク・ザッカーバーグ氏、アマゾン(AMZN)のジェフ・ベゾス氏、テスラ(TSLA)のイーロン・マスク氏、アップル(AAPL)のティム・クック氏、アルファベット(GOOGL)のスンダル・ピチャイ氏など、世界的なテック企業のCEOが多数出席しました。一方で、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOの欠席が際立ちました。
エヌビディアの時価総額がアップルを上回る
2025年に入ってからエヌビディアの成長が加速しており、その時価総額はついにアップルを抜いて3兆4500億ドルに達し、時価総額世界首位の座につきました。この勢いは続いており、22日のプレマーケットではエヌビディアの株価は2.7%上昇して144.66ドルを記録し、21日の2.3%上昇を含めると年初来の上昇率は4.9%となりました。
この急上昇の背景には、AI関連事業への期待が大きく寄与しています。具体的には、トランプ政権のAIに対する積極的な政策が、投資家心理を後押ししていると考えられます。
ホワイトハウスのAIインフラ計画
21日遅く、ホワイトハウスはオラクル(ORCL)、OpenAI、ソフトバンクのCEOらとともに、新たなAIインフラ計画を発表しました。このプロジェクトは「スターゲイト」と呼ばれ、テキサス州に新たなデータセンターを建設することから始まります。投資額は今後4年間で5000億ドルに達する可能性があるとされ、これが市場全体のAIセクターに対する強気の見通しを支えています。
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トランプ大統領、AI開発に関する規制を緩和
さらに21日には、トランプ大統領がAI開発者に対し、安全性テストの結果を公開する前に政府と共有することを義務づける命令を撤回しました。この動きは、AI開発を迅速に進めるための措置として評価されています。これにより、規制の負担が軽減され、業界の成長がさらに促進されることが期待されています。
エヌビディア株価とAIセクターの展望
現在のエヌビディア株価の動きは、同社固有の業績というよりも、AI業界全体に対する市場のセンチメントに大きく影響されていると考えられます。トランプ政権の政策がAI業界に与える影響は今後も続く見込みであり、投資家にとって注目すべきセクターとなっています。
今後の市場動向に注目しつつ、エヌビディアを含むAI関連銘柄の成長が期待されます。トランプ政権の政策や企業の取り組みがどのように株価や業界全体に影響を与えるか、注視が必要です。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA