アップル株が2ヶ月ぶりに時価総額首位を明け渡す—AI需要の不透明感が原因か?

アップル(AAPL)の株価が10月以来の最低水準に下落し、時価総額世界首位の座を明け渡しました。この背景には、アナリストによる格下げや販売低迷の予測があります。投資会社ジェフリーズのエジソン・リー氏率いるストラテジストチームは、アップルの格付けを「ホールド」から「アンダーパフォーム」に引き下げ、目標株価を200.75ドルに設定しました。

「iPhoneの需要低迷に対する懸念が現実のものになった」と、同チームは1月21日に発表したメモの中で述べています。さらに、2024年12月に終了した四半期の出荷台数が4%減少したと報告しました。

AI機能が売上増加に寄与する可能性に疑問

AI技術はここ数年、テクノロジー業界全体の成長を支えてきましたが、アップルが導入したAI機能は消費者からの反応が限定的だとされています。同社は新型スマートフォンに電子メールの要約やコンピューター生成の絵文字といった新しいAI機能を搭載していますが、これらが市場での大規模な成功につながるかどうかは不透明です。

ジェフリーズの調査によると、米国の消費者はこれらのAI機能を「便利」と感じておらず、デバイスを買い替える動機にはならないとされています。

株価下落と時価総額の動向

1月21日の米国市場でアップルの株価は3.19%下落し、終値は222.64ドルでした。主要株価指数が上昇する中、アップルの株価は過去1か月で約13%の下落を見せています。この結果、時価総額は3兆3480億ドルとなり、3兆4490億ドルのエヌビディア(NVDA)に約2ヶ月ぶりに首位の座を明け渡しました。

アップルが直面する課題

他のアナリストもアップルの直面するリスクを指摘しています。J.P.モルガンのサミク・チャタジー氏率いるチームは、以下の3つの課題を挙げました。

  1. 中国市場でのシェア減少
  2. AI機能の限定的な普及
  3. ドル高の影響

これらの要因により、J.P.モルガンはアップルの目標株価を260ドルに引き下げたものの、オーバーウェイトの格付けを維持しています。

今後の展望

アップルは今後も新しい製品や機能の開発を進めることで、これらの課題に対応する姿勢を示すと予想されます。一方、AI技術を活用したスーパーアップグレードサイクルの到来が近いと考えるのは時期尚早であるとの見解が専門家の間で共有されています。市場の動向やアップルの戦略を注視することが、投資家にとって重要なポイントとなっています。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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