マイクロン・テクノロジー(MU)の株価は今年、S&P 500指数の中で最も良いパフォーマンスを示しており、アナリストからもおおむね高い評価を受けています。しかし、一部では依然として懸念を抱く声もあります。
同社の株価は1月8日の終値までに年初来で18%以上上昇し、S&P 500指数のわずか0.6%の上昇を大きく上回っています。
エヌビディアとの提携が株価を押し上げる
6日、エヌビディアのCEOであるジェンスン・フアン氏が、同社のRTX 50ビデオゲームチップにマイクロンのメモリが採用されていると発表したことを受け、マイクロンの株価は2.7%上昇し、101.91ドルとなりました。
この発表により、投資家の期待感がさらに高まり、今年の株価上昇を後押しする結果となっています。
アナリストの評価と目標株価
ファクトセットによると、同社をカバーする約30名のアナリストの平均評価は「オーバーウエイト」、平均目標株価は131.47ドルとなっています。
特に強気な見方を示しているのは、ローゼンブラット証券のアナリスト、ハンス・モーゼスマン氏です。同氏は、マイクロンの目標株価を250ドルと設定しており、6月にも225ドルの目標を維持していました。同氏は「史上最大規模のメモリサイクル」を活用する準備が整っていると述べています。
また、ニュー・ストリート・リサーチのアナリスト、ピエール・フェラーグ氏も、2025年の注目すべきテック株としてマイクロンを挙げています。同氏は、マイクロンが高帯域幅メモリ(HBM)やダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)など、AIシステムに不可欠な製品を提供しており、今年の予想を大きく上回るパフォーマンスを達成するとの見解を示しています。
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懸念を抱く声も
一方で、2025年を前に慎重な見方をするアナリストもいます。先月、バンク・オブ・アメリカは、マイクロンの評価を「買い」から「ニュートラル」に引き下げ、目標株価を125ドルから110ドルに修正しました。
同社は、最新の決算発表を前にして、ウォール街のコンセンサスを下回る売上予測をさらに引き下げました。PCやスマートフォン市場の弱さがメモリ価格に下押し圧力をかけており、HBMやデータセンター需要の好調さを相殺しているとの見解を示しています。
また、粗利益率が低迷している間は、マイクロンの株価は歴史的にアウトパフォームしにくいという指摘もありました。
今後の注目点
マイクロン・テクノロジーは、AI市場やHBMといった成長分野で強力なポジションを築いていますが、一部では短期的な課題が残ると見られています。粗利益率の改善やPC市場の回復が鍵となりそうです。投資家は引き続き、これらの要因に注目する必要があります。