パランティアの快進撃に陰り?2025年の厳しい幕開けとその背景

2024年にS&P 500の中で最も高いパフォーマンスを記録したパランティア・テクノロジーズ(PLTR)が、2025年は厳しいスタートを切っています。

同社の株価は2024年に340%の上昇を見せ、人工知能(AI)ソフトウェアへの期待や個人投資家からの熱狂的な支持がその背景にありました。しかし、この驚異的な上昇に対して、株価の評価額を懸念する意見が昨年から現在にかけて続いています。

株価の下落が続く2025年の幕開け

パランティアの株価は、2025年に入りさえない動きを見せています。特に1月7日には7.7%の下落を記録し、2024年5月7日以来の1日あたり最大の下落率となりました。この日はS&P 500指数の中でも最も大きな下落を示した銘柄であり、今年にはいりすでに7.5%の下落を見せています。

投資家は昨年、パランティアの評価額を問題視するアナリストの意見を無視し、AI関連の勢いを支持していました。しかし、今年は状況が変わる可能性が取り沙汰されています。すでにいくつかの悲観的な見解が表明されています。

アナリストの評価と警告

モルガン・スタンレーのアナリスト、サンジット・シン氏は1月6日にカバレッジを開始し、「強力な実行力と勢いを認めながらも、現在の株価は内在的価値を超えている」と述べ、株価に過剰な期待が込められていると警告しました。同氏は、昨年の株価上昇は売上高見通しの改善ではなく、ほぼ全てが株式評価倍率(マルチプル)の拡大によるものと指摘し、目標株価を60ドルに設定しています。

また、ジェフリーズのアナリストであるブレント・ティル氏も、同様の見解を示しています。同氏は、パランティアの株価を「公開取引されているソフトウェア企業の中で最も高価」と表現し、この倍率が長期間続くことは難しいとの考えを示しました。とはいえ、同社が市場シェアを拡大する可能性には大きなチャンスがあるとも述べています。

テクノロジーセクター全体の影響

7日の株価下落は、テクノロジーセクター全体の売りが拡大したことも背景にあります。この動きは、米国政府のデータ発表を受けた国債利回りの上昇が一因とされています。この日、ナスダック総合指数も大きく下落しました。

パランティアが2025年にどのような成長軌道を描くかは不透明ですが、昨年のような大幅な上昇を期待するのは簡単ではないかもしれません。企業価値の持続可能性や市場の変化に注目が集まる中、慎重な投資判断が求められています。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

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