シティのアナリスト、アティフ・マリク氏は、半導体製造装置株が年後半の「大幅な調整」を経て、現在は投資妙味が高まっていると指摘しています。同氏が1月6日に発表したリサーチノートによると、中国からの需要やスマートフォンのような消費者向けデバイスの需要低迷が株価に影響を与えましたが、現在は回復の兆しが見られるとのことです。
半導体製造装置銘柄の多くは、S&P 500やPHLX半導体株指数に対して割安で取引されており、リスクとリターンの観点からも上昇が期待できると述べられています。
注目の「ビッグスリー」だけでなく、隠れた成長株にも注目
半導体製造装置業界では、KLA(KLAC)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)、ラム・リサーチ(LRCX)の「ビッグスリー」がよく知られています。しかし、マリク氏は「サイクルの底を脱する」恩恵を受ける可能性がある隠れた銘柄として、5つの企業を取り上げています。
以下の企業を「買い」に格上げし、それぞれが二桁成長を達成する可能性がある目標株価を設定しました。
アドバンスト・エナジー・インダストリーズ(AEIS)
アドバンスト・エナジー・インダストリーズは、電力供給装置を手掛ける企業で、特に半導体製造装置向けの高性能な電源が主力製品です。同社の競争力の高い技術が評価され、株価の上昇が期待されています。
フォームファクター(FORM)
フォームファクターは、半導体テスト用プローブカードを製造する企業です。テクノロジーの進化に伴い、テストの需要が拡大しており、同社の市場シェアの増加が予想されています。
MKSインスツルメンツ(MKSI)
MKSインスツルメンツは、計測・制御装置を提供する企業で、特に半導体製造工程で使用される真空装置やレーザー技術が主力です。需要増が業績を押し上げる見通しです。
ノバ(NVMI)
ノバは、半導体業界向けの計測装置を提供する企業で、高精度な技術が評価されています。新たなテクノロジー導入に伴い、同社の製品需要が高まることが期待されています。
ビーコ・インスツルメンツ(VECO)
ビーコ・インスツルメンツは、LEDや半導体製造向けの蒸着装置を手掛ける企業です。特に次世代ディスプレイ技術の進化が、同社の成長を後押しすると予測されています。
投資のタイミングを見極めるポイント
現在の半導体製造装置株は、業界全体のサイクルが低迷期から脱しつつある段階に位置しています。これにより、割安感のある銘柄が多くなり、長期的な投資価値が高まっているといえます。
シティのリサーチを参考に、今後の成長性が期待される銘柄に注目し、投資機会を検討してみてはいかがでしょうか。