アルファベット株、今が買い時?J.P.モルガンが示す強気の理由とは

J.P.モルガンのアナリストであるダグ・アンマス氏が、アルファベット(GOOGL)が多方面でさらなる成長を遂げる可能性があると指摘し、1月6日の米国市場で同社の株価が約3%上昇する場面がありました。アンマス氏は「アルファベットの基礎的な事業は堅実であり、同社はデジタル経済と生成AIの進歩の両方を牽引し、それらから最も恩恵を受ける企業であり続ける」との見解を示しています。

アルファベットの成長ドライバーと市場の期待

アンマス氏によると、アルファベットの主要な収益源である検索広告事業は、2025年に11%の成長が見込まれています。2024年の最初の9か月間では、検索広告売上が前年同期比13%増加しており、順調な伸びを見せています。

また、クラウド事業やYouTubeのサブスクリプションサービスについても成長の余地が大きいと指摘しています。これら非広告収益の分野がアルファベットの多角化をさらに進めると期待されています。

「Other Bets」の収益改善と将来性

アルファベットの「Other Bets」部門では、ロボタクシーやドローン配送などの将来的な事業が進められています。2024年の最初の9か月間では、「Other Bets」の売上が前年比43%増加し、12億ドルに達しました。一方、損失は33億ドルでしたが、損失額の増加はわずか1%にとどまり、長期的な投資の一部が利益化に近づいている兆候が見られます。

反トラスト法の訴訟と政治的影響

アルファベットは現在、反トラスト法に関する訴訟のペナルティ段階にあります。この訴訟は2020年にトランプ政権下の司法省によって開始されましたが、アンマス氏は新しいトランプ政権がGoogleに対してより寛容な対応を取る可能性を示唆しています。

バイデン政権の司法省とGoogleは、裁判官のアミット・メータ氏に幅広い是正案を提示しており、政府側はアルファベットの分割を含む厳しい案を提案していますが、Googleはより緩やかな案を提案しています。

株価目標と投資家へのメッセージ

アンマス氏は、アルファベットの2025年12月の株価目標を232ドルと設定しています。この目標は、2026年の1株当たり利益を10.30ドル、株価収益率(P/E)を22.5倍と見積もったものです。一方、市場のコンセンサス予想では、2025年12月または2026年1月の株価を216ドルと予測しています。

「アルファベットはS&P500において、非常に大きな基盤の上で売上と1株当たり利益(EPS)の両方を二桁成長させている数少ない企業の一つであり、GAAPベースの営業利益率も30%以上と非常に高い水準にある」とアンマス氏は述べています。

まとめ

アルファベットは、検索広告事業を中心に安定した成長を続けており、クラウド事業やYouTubeなどの新たな分野でも成長が期待されています。「Other Bets」部門のような長期投資も徐々に成果を上げつつあり、投資家にとって魅力的な選択肢となっています。反トラスト法の訴訟や政治的影響が懸念される一方で、アルファベットは今後もデジタル経済と生成AIの進化を支える中心的な企業であり続けると見られています。

*過去記事 アルファベット GOOGL

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