原子力関連株が2025年に入って大きく上昇しています。この背景には、アナリストが原子力発電の将来性を楽観視していることや、データセンターの電力需要が急増していることが挙げられます。UBSのアナリスト、ウィリアム・アピチェリ氏は、ビストラ（VST）とコンステレーション・エナジー（CEG）の両銘柄についてポジティブな見解を示しました。
ビストラとコンステレーション・エナジーの株価動向
ビストラは、独立系原子力発電所を所有する企業として業界で2番目の規模を誇り、コンステレーション・エナジーはそのリーダー的存在です。アピチェリ氏は、ビストラの目標株価を161ドルから174ドルに引き上げた一方で、コンステレーション・エナジーの目標株価は307ドルから289ドルにわずかに引き下げました。
1月3日の米国市場の正午過ぎの段階で、ビストラの株価は8.22%上昇し161.96ドルとなり、年初来の上昇率は17%に達しました。同じくコンステレーションの株価も4%上昇し252.53ドルとなり、年初からの上昇率は12%を超えています。
AIデータセンターと原子力発電の需要増加
投資家たちは、人工知能（AI）データセンターの急速な拡大に伴い、電力需要が高まる中で、原子力発電がどのような形で利益をもたらすのか注目しています。特にビストラとコンステレーション・エナジーは、過去12か月間で大きな売上増を記録しました。具体的には、ビストラが312%、コンステレーションが117%の売上増を達成しています。
テクノロジー企業は今後のデータセンター運用に向けて、持続可能なエネルギー供給を確保するため、原子力発電企業との契約を積極的に締結しています。この動きが市場全体の成長を後押ししています。
エネルギー取引と価格動向
2025年、エネルギー分野では多くの重要な取引が進行中です。モルガン・スタンレーのアナリスト、デビッド・アルカロ氏は、テクノロジー企業が持続可能性への目標を考慮し、電力コストをより高い価格で受け入れる傾向が強まると予測しています。同氏は、「今後、原子力発電所との契約条件はさらに魅力的になる可能性がある」との見方を示しました。
まとめ
原子力関連株は、エネルギー需要の高まりと技術革新により、引き続き市場の注目を集めています。ビストラやコンステレーション・エナジーといった主要プレイヤーは、AIデータセンターをはじめとする新しい需要分野から恩恵を受け、今後も成長が期待されます。投資家にとって、これらの銘柄は長期的な収益性が高い選択肢となる可能性があります。