シースリー・エーアイの株価急落、キーバンクの格下げで今後の展望は?

  • 2024年12月20日
  • 2024年12月20日
  • BS余話

シースリー・エーアイ(AI)は12月19日、キーバンク・キャピタル・マーケッツによりアンダーウェイトに格下げされました。同社のサブスクリプション売上の伸びに対する懸念が理由とされています。

キーバンクのアナリストであるエリック・ヒース氏は、同社の株価が「10~20%の成長を遂げている同業他社」の7.3倍である一方で、企業価値対売上倍率が13.3倍に達している点を指摘しました。このバランスの悪さを理由に、シースリー・エーアイの格下げが行われました。

売上予測の過大評価リスクと売上減速

キーバンクは、シースリー・エーアイの2026年度および2027年度の売上予測が過大評価されている可能性について懸念を示しました。直近の第2四半期では、シースリー・エーアイのサブスクリプション売上(初期ライセンスを除く)は前年比で-1%と減速。これは、同社の成長見通しに影響を与える重要な要因とされています。

さらに、エネルギー技術企業であるベーカー・ヒューズ(BKR)との契約が2026年度に更新されない可能性や、マイクロソフト(MSFT)との提携が「目に見える成果を生まない」リスクについても指摘されました。

シースリー・エーアイの目標株価と市場での評価

キーバンクはシースリー・エーアイの目標株価を29ドルに設定しました。ファクトセットの調査によると、同社をカバーする16人のアナリストの中で、4人が買い推奨、5人が保留推奨、6人がアンダーウェイトまたは売り推奨を出しています。

11月には、シースリー・エーアイはマイクロソフトとの戦略的提携を発表し、エンタープライズAIの採用を促進する計画を明らかにしました。しかし、これらの発表が市場での評価に大きな影響を与えていない可能性があるようです。

第2四半期の業績と競合他社との比較

シースリー・エーアイは第2四半期の業績で予想を下回る損失を報告しましたが、売上は前年同期比で29%増加しました。この結果を受けて、JPモルガンは同社の目標株価を19ドルから28ドルに引き上げました。

一方、同社はクラウドフレア(NET)、クラウドストライク(CRWD)、データドッグ(DDOG)、スノーフレーク(SNOW)、ギットラブ(GTLB)、Zスケーラー(ZS)、サイバーアーク(CYBR)、センティネルワン(S)といった競合他社と比較される中で、市場でのポジショニングに課題があるとされています。

19日の株価動向と2024年の成績

シースリー・エーアイの株価は、19日の米国市場昼過ぎの段階で12.59%下落しました。それでも、同社の株価は2024年に入ってから20%の上昇を記録しています。この上昇は、同社の中長期的なポテンシャルへの期待を示している可能性があります。

投資家へのメッセージ

シースリー・エーアイのサブスクリプション売上の成長減速や、主要な提携先とのリスクが懸念される中、同社の業績と市場での競争力を継続的に注視することが求められます。AI業界の競争が激化する中、同社の今後の展開に期待が寄せられる一方で、投資家は慎重な判断が必要です。

*過去記事「AI銘柄の大本命!シースリー・エーアイの業績好調とマイクロソフトとの戦略的提携

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