セールスフォース(CRM)は、人工知能(AI)を活用したプラットフォームの進化により、ウォール街のアナリストや投資家から高い評価を得ています。同社が12月17日に発表した新バージョンの「Agentforce 2.0」は、AI技術の進化を象徴する重要なアップデートとして注目されています。
Agentforce 2.0の概要と特徴
セールスフォースは、2025年2月に一般公開予定の「Agentforce 2.0」を発表しました。この新しいプログラムは、同社が9月にリリースした初代Agentforceをさらに進化させたものです。Agentforceは、AIエージェントを利用して顧客がタスクを効率的に処理し、生産性を向上させることを目的としたツールです。
Agentforce 2.0では、新たに以下の機能が追加されています。
- チャットアプリ「Slack」へのエージェント展開機能
- 新しい推論アルゴリズム
- カスタマイズ性と統合性の向上
セールスフォースの最高経営責任者(CEO)であるマーク・ベニオフ氏は、「Agentforce 2.0は、当社のデジタル労働プラットフォームを次の段階へ進化させる」と述べています。この革新的なプラットフォームは、インテリジェンスや正確性を飛躍的に向上させるものとして期待されています。
業界全体の流れとセールスフォースの差別化
セールスフォースは、Agentforce 2.0の発表とともに、AIソフトウェアの販売を強化するために2,000人を新たに雇用する計画を明らかにしました。この戦略は、他の大手テクノロジー企業がレイオフやコスト削減を進める中で、対照的な動きといえます。
株価とアナリストの見解
12月初旬、セールスフォースは第3四半期の売上がアナリストのコンセンサス予想を下回ったものの、Agentforceへの期待感から株価が11%急騰しました。今年に入ってから株価はすでに33%上昇しており、S&P 500種指数の27%の上昇率を上回っています。
BofA証券のアナリスト、ブラッド・シルズ氏は、セールスフォースの株価を「買い」と評価し、目標株価を440ドルと設定しています。同様に、ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブズ氏は「アウトパフォーム」とし、株価が今後12~18ヶ月で80ドル上昇する可能性を示唆し、目標株価を450ドルとしています。
今後の展望
セールスフォースのAgentforce 2.0は、AI市場での競争力をさらに高め、顧客基盤の拡大を後押しすることが期待されています。同社が掲げる成長戦略は、投資家や業界関係者にとって重要な注目ポイントです。AIの進化と活用に積極的な姿勢を見せるセールスフォースの動向から目が離せません。
セールスフォースの革新的な取り組みは、AI技術の活用における新たな指標を提供し、株式市場でも引き続き関心を集めると予測されています。今後の進展が期待されます。