アップル(AAPL)の株価は、年初の低迷から立ち直り、2024年の市場を牽引する企業の一つとなっています。J.P.モルガンのアナリスト、サミク・チャタジー氏は、人工知能(AI)が直接的な販売促進につながらなくても、アップルは2025年も株価上昇を続ける可能性が高いと指摘しています。
アップルが再び世界で最も価値のある企業に
アップルの株価は今年下半期に急騰し、マイクロソフト(MSFT)やエヌビディア(NVDA)といった競合企業を抑え、再び世界で最も価値のある企業としての地位を取り戻しました。現在、AIの活用がiPhoneやその他のデバイスにどのような影響を及ぼすか注目されています。一部のアナリストは、現時点では販売促進の明確な兆候が見られないと主張しているものの、AIの統合への期待が株価上昇の追い風になっています。
2025年のiPhone 17が株価を後押し
チャタジー氏は、投資家はAI機能に対する短期的な反応に過度に依存する必要はないとしています。同氏は、2025年に発売予定のiPhone 17が最終的に販売を押し上げると予測しています。この新モデルの投入により、iPhone販売台数が2025年度の2億3000万台から、2026年度には2億5100万台に増加する可能性があると述べています。
さらに、2026年度のアップルの売上予測を基にした株価収益率(PER)は27倍と計算され、同氏は2025年末のアップル株の目標株価を265ドルに設定しています。また、アップル株を「オーバーウェイト(買い推奨)」の評価としています。
サービス部門の成長が鍵
J.P.モルガンは、AIがiPhoneの売上増加を促進するという見通しについて、強気の姿勢を一貫して示しています。ただし、チャタジー氏は、AI機能が売上に寄与しなくてもアップルの成長は続くとしています。
同氏は、「AIの有無にかかわらず、アップルはサービス部門の売上成長と高い利益率によって健全な成長を遂げられる」と述べています。また、投資家はAI機能が消費者に受け入れられるかどうかについてのデータを待っているものの、iPhone販売台数のさらなる減少の可能性は限定的であり、株価のプレミアム評価が維持されていると分析しています。
現在の株価動向
12月16日の午後の取引で、アップルの株価は1.2%上昇し、251.11ドルとなりました。今年の株価はすでに29%の上昇を記録しており、アップルは引き続き市場の注目を集めています。
アップルの今後の成長は、iPhone 17の販売やサービス部門の売上拡大によるものとみられており、AI機能の導入による影響とともに長期的な視点で投資家の関心を集めると考えられます。
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