パランティア・テクノロジーズ(PLTR)は、2024年に入り驚異的な株価上昇を記録し、投資家の注目を集めています。しかし、一部のウォール街アナリストは利益追求に慎重な姿勢を取るよう呼びかけています。
ベアードの分析と目標株価
ベアードのアナリストであるウィリアム・パワー氏とヤンニ・サモイリス氏は12月12日、パランティアの格付けを「中立」とし、目標株価を70ドルに設定しました。
S&P 500種指数組み入れとAI能力が株価を牽引
12月12日の米国市場では、パランティアの株価が一時3.4%上昇し、75ドルに達しました。同社が人工知能(AI)分野での高い能力を評価され、9月にS&P 500種指数に組み入れられたことが株価上昇の大きな要因となっています。
さらに、同社の株価は12月に入ってから11%上昇し、年初来では300%以上の急騰を記録しています。この勢いは、過去最高値の更新を視野に入れています。
生成AIアプリケーションへの期待
アナリストたちは、パランティアが生成AIアプリケーションを実用化し、これが今後数年間で最重要分野になると予測しています。同時に、同社の技術革新を評価しつつも、現在の高い株価評価には慎重な姿勢を見せています。
ベアードのアナリストは、「PLTRは2025年の売上予測の48倍という高い水準で取引されており、これはソフトウェア業界でもトップクラスです。今年だけで313%上昇していることから、期待感が非常に高いことが分かります」と述べています。ただし、「強力な事業推進力を認めつつも、過去のパフォーマンスが将来の保証にはならない」と警告しています。
ウォール街の慎重な見方
ベアードの見解は、ウォール街全体で広く共有されている慎重な評価と一致しています。ファクトセットの調査によると、パランティアをカバーするアナリストの半数以上が同社を「ホールド」と評価しており、急激な株価上昇に対する冷静な見方が多数を占めています。
投資家へのメッセージ
パランティア・テクノロジーズはその将来性に大きな可能性を秘めていますが、投資家は現在の高い期待感と評価を十分に考慮し、慎重に判断する必要があります。
*過去記事はこちら パランティア PLTR