アサナの株価が44%上昇、四半期決算が好感される

  • 2024年12月7日
  • 2024年12月7日
  • BS余話

アサナ(ASAN)の株価は12月6日の米国市場で43.53%上昇し、22.19ドルで取引を終えました。この動きは、業務管理ソフトウェアを提供する同社が発表した四半期決算が市場の期待を上回ったことが要因です。この上昇率は、ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、過去最大の1日当たりの上昇記録でした。

第3四半期決算の結果と市場予測を上回る業績

アサナは第3四半期において、調整後の1株当たり損失を2セントと発表しました。この結果は、アナリスト予想の7セントの損失を大幅に下回るものでした。また、売上は1億8390万ドルに達し、こちらもアナリスト予想の1億8060万ドルを上回りました。

第4四半期についても同社は、調整後の1株当たり損失を1セント〜2セントと予測しており、アナリストの2セントの損失予測よりも良好な見通しを示しました。さらに、2025年度の予測では、アナリストが19セントの損失を見込んでいたのに対し、1株当たり14セント〜15セントの損失にとどまるとしています。

新機能「AIスタジオ」の立ち上げとその影響

アサナは当四半期中に「AIスタジオ」と呼ばれるノンコードビルダーを発表しました。このツールは、チームがAIエージェントを活用して効率的なワークフローを設計できるものです。同社CEOで共同創業者のダスティン・モスコヴィッツ氏は、「顧客はすでに生産性向上を実感しており、初期段階ながら高い需要が見られる」と述べています。

アナリストの評価と目標株価の引き上げ

キーバンク・キャピタル・マーケッツのアナリストであるジャクソン・アダー氏は、同社の業績を評価し、株式の格付けを「アンダーウェイト」から「セクターウェイト」に引き上げました。また、従来の目標株価を撤廃しました。同氏は「四半期業績は非常に堅調で、株価に大きな追い風を与えている」とコメントしています。

一方で、ジェフリーズのアナリストであるブレント・サイル氏は、投資判断を「ホールド」に据え置いたものの、目標株価を13ドルから16ドルに引き上げました。同氏のチームは、売上が予想を上回った点を評価しつつ、マクロ経済環境の逆風や競合他社との状況に引き続き注意が必要だと指摘しています。

業界競争と今後の展望

アサナは、マンデー・ドットコム(MNDY)やスマートシート(SMAR)といった競合企業と厳しい競争を繰り広げています。6日の市場では、マンデー・ドットコムの株価が4.2%上昇した一方、スマートシートの株価はわずかに下落しました。アサナの「AIスタジオ」については、成果が顕著に現れるまでにはさらに時間が必要だと考えられています。

アサナの今後の成長には、AI技術の進化と競合他社との差別化が重要なポイントとなると予想されます。引き続き、同社の進展と市場での競争動向に注目する必要があります。

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