アプライド・マテリアルズ株価が急落!モルガン・スタンレーの格下げの理由とは?

  • 2024年12月6日
  • 2024年12月6日
  • BS余話

アメリカの大手半導体製造装置メーカー、アプライド・マテリアルズ(AMAT)の株価が12月5日に5%下落しました。これは、モルガン・スタンレーのアナリスト、ジョセフ・ムーア氏が同社株を「イコールウェイト(中立)」から「アンダーウェイト(弱気)」に格下げし、目標株価を179ドルから164ドルに引き下げたことが影響しています。

モルガン・スタンレーの格下げの理由

ムーア氏は、「大幅な下落を予測しているわけではないが、米国半導体製造装置(SPE)セクター内での相対的なパフォーマンスは厳しくなる可能性がある」と分析しています。同氏によれば、アプライド・マテリアルズの主力市場である動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)の需要が、来年にかけて問題となる可能性が高いと指摘しています。

DRAMを使用するPCやスマートフォンなどの製品価格が上昇しており、これが需要を減少させています。さらに、多くのデバイスが従来モデルよりも寿命が長くなっていることも、需要低下に拍車をかけているとされています。

アプライド・マテリアルズ株価の動向

5日の取引では、アプライド・マテリアルズの株価は5.04%下落し、172.03ドルで取引を終了しました。同社の株価は年初来で6.1%上昇しているものの、同じ期間に31%上昇したナスダック総合指数と比較すると、パフォーマンスに大きな差があります。

半導体市場全体の注目ポイント

2024年のウォール街では、半導体セクターが注目を集めています。特に、生成AIを支えるチップ需要が非常に高まっており、エヌビディア(NVDA)台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)などの株価上昇がその好例です。

一方、地政学的なリスクが業界の課題となっています。米国は国家安全保障を守りつつ、競争力を高めるため、中国に対する先端メモリチップや製造装置の輸出規制を強化しています。今週、バイデン大統領が中国への新たな規制を発表したことで、この問題が再び注目を集めました。

また、消費者向け電子機器の需要低迷が、業界全体に影響を及ぼしています。

半導体指数の状況

iShares Semiconductor Index(半導体指数)は今年14%上昇していますが、7月10日に記録した終値最高値の265.49ドルからは18%下落しています。

今後の見通し

アプライド・マテリアルズにとって、DRAM市場の需要減少や地政学的な影響が収益に対する重しとなる可能性があります。一方で、生成AIチップ需要の高まりが業界全体の成長を後押ししており、投資家は引き続き慎重な判断が求められます。

アプライド・マテリアルズや半導体セクター全体の動向を注視しながら、市場の変化に対応した投資戦略を検討することが重要です。

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