ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ、売上予想を上回るも株価は下落

  • 2024年11月27日
  • 2024年11月27日
  • BS余話

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)は11月25日に最新決算を発表、第3四半期の調整後利益と売上がウォール街の予想を上回る結果となりました。また、今年の売上見通しも上方修正されるなど堅調な業績を示しました。しかし、株価は26日昼過ぎの段階で7.2%下落し、82.62ドルで取引されています。1日あたりの下落率としては2023年5月23日以来の大きなものです。

アナリストの評価引き上げと株価目標の上昇

投資会社エバコアISIのアナリスト、ピーター・レヴィーン氏は、ズームの格付けを「インライン」から「アウトパフォーム」に引き上げ、目標株価を70ドルから115ドルに改定しました。これは現在の株価から約40%の上昇を見込むものです。

レヴィーン氏は、「ズームは一貫した業務遂行と新製品群の成長によって、またも非常に堅調な四半期を実現しました」と述べ、同社の成長に対する楽観的な見方が強まっていることを強調しました。

投資家が懸念する利益率の低下

株価下落の要因として挙げられるのが、利益率の微減です。ズームは第3四半期の営業利益率を38.9%と報告しましたが、前年同期の39.3%をわずかに下回る結果となりました。

バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズのアナリスト、マイケル・ファンク氏は、「ズームがAIや製品開発に継続的に投資している点が利益率への圧力を生んでいる」と指摘しています。同氏はまた、ズームの格付けを「中立」とし、目標株価を75ドルから90ドルに引き上げました。

AIと新興成長分野への注力

ズームのミシェル・チャン最高財務責任者は、決算発表時の電話会議で「AI、新興成長事業、そしてプラットフォームへの投資を進めている」と述べました。これらの取り組みが今後の成長の基盤になると期待されています。

株価の年間推移と市場全体との比較

2024年におけるズームの株価は、S&P 500指数の26%増加に対して15%の上昇にとどまっています。この結果は、ズームが市場全体の成長には及ばないものの、堅実なパフォーマンスを示していることを意味しています。

投資家へのメッセージ

ズームは堅調な売上と成長見通しを維持していますが、利益率のわずかな低下や継続的な投資が株価に影響を与えています。一方で、AIや新製品群への注力が将来的な収益向上につながる可能性も高く、投資家にとっては長期的な視点で評価すべき企業といえます。

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