クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)は、ソフトウェアアップデートの不具合による混乱を乗り越え、最新の四半期で期待を上回る業績を達成しました。同社は第3四半期の売上高を10億1000万ドルと発表し、前年同期比で29%増加しました。これは、ファクトセット調べての市場予測9億8300万ドルを超える結果となり、クラウドストライクにとって初めて四半期売上高が10億ドルを超える節目となりました。
第3四半期の調整後利益、予想を上回る
調整後1株当たり利益は93セントを記録し、ファクトセット調べのコンセンサス予想の81セントを大幅に上回りました。ただし、GAAP基準では1680万ドルの純損失(1株当たり7セント)を計上しました。前年同期の2670万ドルの純利益(1株当たり11セント)と比較すると、収益性には課題が残る状況です。
クラウドストライクの最高財務責任者(CFO)であるバート・ポドベレ氏は、「第3四半期の業績は、7月19日に発生したソフトウェア不具合の影響を受けた中でも、当社の着実な実行力と財務管理の成果を示すものです」と述べ、業績回復への取り組みを強調しました。
顧客向けコミットメントパッケージが成功
クラウドストライクは、不具合によって一部顧客に生じた影響を緩和するため、「顧客向けコミットメントパッケージ」を提供しました。このパッケージは、顧客との関係を深めるための措置として大きな成功を収めたと報告されています。ポドベレ氏は、「顧客がこのプログラムを受け入れた結果、当社との関係がさらに強化されました」と述べています。
株価の動きと投資家の懸念
同社の業績は堅調であったものの、26日の時間外取引でクラウドストライクの株価は約3%下落しました。この動きの背景には、第4四半期の業績予想が市場の期待値とほぼ一致する水準にとどまったことがあると考えられます。
クラウドストライクは、第4四半期の売上高を10億2900万ドル〜10億3500万ドル、調整後1株当たり利益を84セント〜86セントと予想しています。アナリスト予測では売上高が10億3000万ドル、調整後1株当たり利益が86セントとされており、ほぼ一致する数値ではあるものの、成長期待が株価に織り込まれた状況下では、やや控えめに受け取られた可能性があります。
今後の注目点
クラウドストライクの最新の業績は、同社の成長ポテンシャルとともに、サイバーセキュリティ分野での競争環境の厳しさを示しています。引き続き顧客基盤の拡大と製品の強化に注力し、業界内での存在感をさらに高めることが期待されます。
クラウドストライク・ホールディングスの今後の動向や市場の反応に注目が集まっています。最新の業績から見えてくるのは、同社の財務規律と顧客との信頼関係の重要性です。今後の成長戦略に期待が寄せられています。
*過去記事はこちら クラウドストライク CRWD