エヌビディア(NVDA)の最新の決算報告は、AIの成長物語が依然として続いていることを示しました。特に新しいBlackwellグラフィック処理ユニット(GPU)の需要は非常に高く、同社の株価にとって明るい兆しをもたらしています。
決算報告:売上高と純利益が驚異的な成長を記録
エヌビディアは10月までの3か月間で、前年同期比94%増の350億ドルの売上高を報告しました。特にAI需要に支えられたデータセンター事業は112%という更なる高い成長を達成しました。純利益も前年同期の2倍にあたる200億ドルに達し、同社の業績は非常に堅調です。
1月四半期についても、エヌビディアはウォール街の予想を若干上回る堅調な見通しを示しました。今年に入って株価が約3倍に上昇している中で、発表後の一時的な株価の変動は大局的には重要視されないと見られます。
Blackwell GPUの需要が引き続き拡大
次世代のBlackwell GPUは、性能の大幅な向上により市場から熱い注目を集めています。最高財務責任者(CFO)のコレット・クレス氏は、「Blackwellの需要は驚異的であり、供給能力を拡大するために取り組んでいます」と述べています。
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOも、「Blackwellの売上はこれまでの予測を上回る可能性がある」と語り、すでに主要パートナーへ出荷済みであることを明らかにしました。供給が需要に追いつかない状況が続く中で、同製品の市場での人気は今後も維持されると予想されます。
AIシステム需要の停滞懸念への反論
AIシステムの需要が一時的に停滞する可能性についても質問がありましたが、フアンCEOはこれを否定しました。同氏は、AIに最適化されていない1兆ドル相当の既存データセンターインフラの完全な更新が進む中で、消化不良の状況は起こらないと述べています。
さらに、企業はAIインフラの更新において1500億ドルを投じており、これが市場の大きな成長ドライバーになると見込まれています。
次世代AIモデルとエージェントの台頭が成長を後押し
エヌビディアはAI技術の進化がもたらす新たな需要の波にも対応しています。AIモデルのトレーニングスケーリングは順調に進んでおり、GPU需要をさらに押し上げています。また、AIエージェントと呼ばれるプログラムが急速に進化しており、今後数年間で大量に普及すると予測されています。
例えば、デルの幹部であるアーサー・ルイス氏は、AIエージェントが従業員の業務を効率化し、企業の生産性向上を支援する可能性があると語っています。
2025年に向けた売上成長の可能性
2025年にエヌビディアが54%の売上成長を達成するかどうかは、投資家にとって大きな関心事です。しかし、同社の経営陣によると、Blackwell GPUの高い需要やAIインフラ更新の進展を考えると、この目標は十分に現実的です。
AIモデルの進化や新たな技術革新が市場に更なる推進力を与えることを考慮すると、エヌビディアの将来は非常に明るいといえます。今後も投資家は目先の変動に惑わされることなく、長期的な視野を持って同社の成長を見守る必要があります。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA